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ネオ格闘王伝説 ジュニア・ウォーズ 上川端 通
秋田書店 チャンピオンコミックス(絶版)

 この作品は14年ほど前、「月刊少年チャンピオン」に連載されていたものです。

 さて、肝心の内容を紹介します。
 主人公は
猪木の息子。作中では、猪木は政治家として国内外に活躍し、首相になっています。
 主人公が旅立つ前に、国会議事堂に赴き、偉大な父に思いを馳せます。そんな彼が見上げる虚空には
猪木の銅像が。
 主人公は宿命のライバル・前田日明の息子と出会いますが、そんなに簡単にはライバルとは戦いません。
 ストーリー上持ち上がった前哨戦は、対カール・ゴッチ・ジュニア・・・というところで、第一話が終わります。
 まあ、タイトルの意味がお分かりいただけたかと思います。

 以下(茶字)の内容は、読み人知らずさんからいただいたストーリー情報です。

 話が始まった時すでに猪木は死んでいます。前田日明行方不明です。カールゴッチは前田ジュニアのセコンド兼トレーナーについています。
 猪木ジュニアが前田ジュニアと戦う前に闘う相手は、アリジュニアVSタイソンジュニアの勝者です(^^;ジュニアだらけでややこしいですね(笑)
 で、タイソンジュニアと闘うことになるのですが、猪木ジュニアは戦いの前にブラジル行きのチケットを前田ジュニアに渡します。「すべてはブラジルから始まった!」という言葉とともに。試合は闘魂プロレスを展開した猪木ジュニアが勝ちます。
 この試合を会場でタイガージェットシンが見守っていたり、トレーニングの為道場に行くと藤波がいたりと、プロレスファンには涙物の暴走が見られます(^^;
 前田ジュニアがブラジルに行くと、そこには白髪頭になった農作業をしている前田日明本人が迎えます(!)なんと、前田と猪木の一騎討ちは行われていてその壮絶な試合のことを息子に対して語り始めるのです!
 試合は高田、山崎、船木、藤原、長州、藤波、新間、ゴッチ、馬場そして力道山の遺影のみが見守る中始まり、4時間を越える大激闘!この試合を描きたいが為にこのマンガ描きましたと言わんばかりの力の入れよう!画の密度がそれまでに比べて確実に倍になっています(笑)
 猪木は「もう立ち上がるのが精一杯だ・・・お前にとどめを刺してもらいたいが、お前に人を殺めた十字架を背負わせたくない。ブラジルにいる息子のことだけが気がかりだ・・・」と言い残し、リング上で舌を噛み切って仁王立ちのまま死にます!!!!!!!!
 そう、猪木ジュニアはブラジルで前田が鍛え上げたんです。思いを新たにして前田ジュニアは日本に帰り、猪木ジュニアとの闘いに臨みます。
 今まさに両雄の闘いが始まろうとする時、リングサイドにいたカールゴッチが「時代がもう私の手の届かぬ所へ移り行く・・・」と言い残し事切れます。
 そしてゴングが鳴り響き・・・・THE END

 これの凄まじい点は、ストーリーもさることながら、絵にもあります。
 どう見ても上手とは言えない、校門で配られるキリスト教の怪しい小冊子に勝るとも劣らない、エキセントリックな絵柄。半端にリアルで、嫌な感じの銅版画、といった印象です。あまりのインパクトに、作者名は忘却の彼方です。(→上川端通先生でした)
 その上、妙〜に力が入った過剰な書き込み。そこからは「とにかく俺はプロレスが好きだ!新しいプロレス漫画を描くぞ!」というもの凄い意気込みが伝わってくるのです。

 「こんな漫画、誰が覚えているのか」と思っていたら、大槻ケンヂ氏がオールナイトニッポンで取り上げていて、さすがだと思いました・・・

 そんなわけで、もし最寄りの古本屋でこの単行本を見つけた方、売価の2倍で買い取りますので、お買いあげ願えませんでしょうか?力の限り御礼はします!