<コミック>
「て」


鉄魂道!ラブリーウーマン列伝(全2) 安田弘之
講談社 ワイドKCモーニング(1:1998.11.20/2:1999.2.22)

  〜訴えてみる?先生ね、どんな手を使ってでも勝つから。〜

 モーニングに連載された35の短編群。登場する30人あまりの女性のほとんどは、「美女」とは呼びがたい、どちらかというと「個性派」にくくられそうな容姿の持ち主だが、例外なく凄まじい「天然」で、キャラのエッジが立ちすぎた強者ばかり。ハッキリ言って「ヘンな女」そろいなのだが、読んでいるうちにそこはかとない愛しさを感じさせられてしまうのが不思議である。
 また、中には美女もいるのだが、例外なく性癖がヘン。「ミリタリーマニア」「どこでも日本髪」「実は幽霊」etc。
 「ショムニ」で感じた、「何でこの人は、美人でない女性を色々と、しかも面白く描けるのか?」という感慨は本作で爆発する。
 男性漫画家は、美人や萌えキャラは上手でも、そうでない女性がうまい人、ましてそのバリエーションが多い人は少ない。
 女性が描いたら、多分ここまでの愛はこもらない。安田弘之の至芸を味わえる一作。

 2巻には、「ショムニ」の坪井千夏の高校生編が収録されているので、ショムニファンも必見。
 ちなみに上記セリフは、最強英語教師・堀川美奈子のもの。実際に現場では言えないセリフだけにカッコいい(笑)!

モーニング'98年20号〜'99年7号連載