恥じなくてよいことを恥じ、恥ずべきことを恥じない人々は邪な見解をいだいて、悪いところにおもむく。
「ダンマパダ(真実の言葉)」

誰でも人を愛することができるわ。でもそれは人を所有するということじゃないわ。
「予期せぬ出来事」(映画)

あの言葉はもちろん、
思わず口からこぼれたのだが、
思わず言っただけによけい重大なのだ。
ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」

自分の心の中で正しいと信じている事をすればよろしい。
しても悪口を言われ、しなくても悪口を言われる。
どちらにしても批判を逃れることはできない。
エリノア・ルーズベルト

おのれの職分を守り黙々として勤めることは、中傷に対する最上の答えである。
ジョージ・ワシントン

 一.
 薔薇ノ木ニ
 薔薇ノ花サク。
 
 ナニゴトノ不思議ナケレド。

 二.
 
 薔薇ノ花。

 ナニゴトノ不思議ナケレド。
 
 照リ極マレバ木ヨリコボルル。
 光リコボルル。
北原白秋「白金ノ独楽」より「薔薇二首」

どうすればいいかだとうっ ふざけるなっ!!
貴様は命乞いの仕方も知らんのかっ!!
雁屋哲・由起賢二「野望の王国」/橘征五郎

丹波文七と堤城平というものを 根こそぎ使って 根こそぎ比べあおう
俺とおまえの どっちが上!!?
夢枕獏・板垣恵介「餓狼伝」/丹波文七

お前は土佐の殿様の家来であり 井ノ口村で育ち 父があり 母があり 姉そして妹 弟達がいる。
そうした多くの人間のしがらみの中に自分がいることを忘れないで下さい。

それらをすべて切って おのれ一人の身として動きまわれば それは身も軽く 自由であろう。
しかし……それだけはしてくれるな。お前はお前一人で存在しているのではないのです。
草木も根を絶てば実をなさぬ…人とて同じ事…
どんなに不自由であろうと 根を切ってしまえば実りはないと心得て下さい。
本宮ひろ志「猛き黄金の国 岩崎弥太郎編」/岩崎弥太郎の母
死んだ人間を思うて人を殺しとったら 次から次へみんな死んでしまうがネ
生きとる人間でなんとかせにゃ しょうがないですろう
同上/坂本龍馬

生まれて初めてぞ 人に妬みを感じたのは
あんな人間に生まれたかったっていうくやしさ しかも心地いいのだ…
あの男の子分になっちまってもいいって……心地いい妬みぞ!
同上/岩崎弥太郎(坂本龍馬と出会って)

ああ そうか 簡単なことだったんだ
オレの宇宙はちっぽけだったんだ
この世に 宇宙の一部でないものなんてないのか
オレでら つながっていて
それではじめて 宇宙なのか
幸村誠「プラネテス」/星野八郎太

オレは宇宙(ここ)に来たいから来たんだ
わがままになるのが怖い奴に 宇宙は拓けねえさ
幸村誠「プラネテス」/星野五郎

アンタはオレのこと ウソつきだって言ったけど…
ツィオルコフスキーも ゴダードも オーベルトも フォン・ブラウンも
宇宙をのぞんだ人間はみんな 最初はウソつきだったんだよ
でも アンタとのケンカを一生かけてやるって腹を決めたなら そいつはじきにウソつきじゃなくなるんだ。
幸村誠「プラネテス」/星野八郎太
<注:「アンタ」が何をさすかについては是非本編を参照されたし>

全部オレのもんだ
孤独も
苦痛も
不安も
後悔も
もったいなくてタナベなんかにやれるかってんだよ
幸村誠「プラネテス」/星野八郎太

翻訳は女性のようなものである。美しくなければ忠実でないし、忠実であれば、きっと美しくない。
ポーランドの諺

-----トラブルが発生しても……お客様を良い気持ちにして帰す方法というのが、必ずあるはずなのだ……
石ノ森章太郎「HOTEL」/苦情処理係・小林さん

アダムはリンゴが欲しかったから食べたのでは無かった。禁じられていたからこそ食べたのだ。
マーク・トウェイン

孔雀は踊るべき時には踊ります。闘うべき時には闘います。常に踊っているわけではありません。
アウンサン・スーチー

人を知る者は智、自ら知る者は明。
老子

妄想は現実逃避ではない。
妄想は現実離陸だ!逃避ではない!
そこにある現実から 離陸する 飛び上がる それが真の妄想だ!
肝心なのはその妄想が 人の心を打つか否かだ!

さてはキサマ うつつを抜かしたことがないな 愚か者め
うつつを抜かしてこそ 豊かな人生!
徳光康之「濃爆おたく先生」/暴尾亜空

遠くして光あるものは飾なり。
近づきていよいよ明らかなるは学なり。
「説苑」より

さうじゃない 心に叫び 中年の
体重をかけて 子の頬打てり         
小島ゆかり

ギッチャン!普通の人の場合、文章で表現できる事は頭で考えていることの1%でゲス。
ところがプロでは これは通用しません。
君は天才でもなんでもないのだから
これを1.1%…1.2%にする勉強をしなければなりません。

君にはまだプロの勇気が備わっていない!
自らを汚す勇気でゲス!

サヨナラと言いなさい!
言わないのは卑怯でゲス。
岸大武郎「せんせい」/川島雄三

私は、砂漠が困難な戦場であることは心得ている。物資の限界も、風向きの不安定な味方のことも知っている。
それでも、もし50回作戦行動が阻止されたら、目標に向かって51回目の行動を起こすだろう。
ロレンス

将校が兵士と接する時に守るべき原則がある。
将校は絶対にウソの感情を装ってはならない。兵士は驚くほど、何が本当で何がにせものかを嗅ぎ分ける。
ロンメル

豪胆な人は、どんな仕事でも引き受けるが、すべてを成功させることはできず、失敗もする。
ナポレオン
しかし、忘れてならないことは、豪胆でない軍人は絶対に名将になれない。
クラウゼヴィッツ

学生を小さな幸せを求める人材にしか育てられない教官は、罪悪である。
クラウゼヴィッツ

先入観を取り除くために、常に「なぜ」と自問しない者は、どんなに勉強しようとも怠け者だ。
頭脳は過去の記録の博物館でもなければ、現在のがらくた置き場でもない。将来の問題についての研究所なのだ。
フラー

わかったか?偉いのの言った事をうのみにすんなよ。
もう一度自分で考えてみるズラ!
パスカルが言ってるに過ぎねえんだから!
岸大武郎「せんせい」/桜井先生

疑って…疑って…
…自分と戦う!
…そして発見する!
それが「考える」ってことズラ!
岸大武郎「せんせい」/桜井先生

墨斎 呑空…
教えることなどひとつもない 気づくことじゃ…
教えることはできん 気づくことじゃ…
坂口尚「あっかんべえ一休」/一休宗純

奈真古和尚「原因があるから結果がある 何もせんのが一番良い!
        これぞ心身一如!」
弟子「無為?」

それは有為だ!
何ものもせぬということを為しているぞ、ハハハ…
坂口尚「あっかんべえ一休」/一休宗純

私もあんたも ボロだが法衣を着けている
用心せねば…
法衣は“欲”を断ち切りたいという欲のあらわれだ…

私はそのことをいつも忘れまいと思っている…
坂口尚「あっかんべえ一休」/一休宗純

それはな きっと一休さんが
お釈迦様の気づいたことを話してくれたんだ。

「気づいたこと?」

ウム そうだ!
お釈迦様が作ったものではないんだ
気づかれたことなんだよ
坂口尚「あっかんべえ一休」/宗元

一休「和尚様!平等こそ仏法の根本……私にはそのような気持ちはありません!」

そうかな……では なぜ 心の塵を払いたいという?
なぜ 浄らかな心に戻りたいという?
おまえが「チリ」という時「清浄」が
「浄らか」という時「汚れ」たものが お前の心の中に生まれるのじゃ

おまえが「善き」ものと思うとき おまえの心は「悪しき」ものを生んでいるのじゃ
おまえが「美しい」と感じる時 「醜い」ものを生んでいるのじゃ
坂口尚「あっかんべえ一休」/謙翁 

予期しないことと、予期したくないことが起こる、と予期するようにせよ。
マウリス

素人は『和をもって尊し』とするが、戦いのプロは『勝利をもって和を造る』
稲尾和久

冷静な平和主義者であろうとするなら、新しい格言を基礎におくべきである。
それは、君が平和を望むなら、戦争を理解せよということだ。
リデル・ハート「Thoughts on War」

セザンヌは、眼にすぎない。
だがそれは、何と素晴らしい眼であることか。
クロード・モネ

私はビジネスは勝てばいいと考えてきた…だが私はいま確信している。
誇るに足る敗北は、卑しい勝利に勝る。
真刈信二・中山昌亮「オフィス北極星」6/山田卓次

荷を持つと
力が働いた。
「落ちるよ」

あぶない空の崖っぷちで
地球がひきとめる
思いやり。

だから重かった。
私たちにとって
いつも
愛は。
石垣りん「荷」(「略歴」より)

俺は自分の無力に感謝してるよ。
人間は無力さ、だからこそ大切なことを繰り返すことができるんだ。
見ろよ 世間に対して俺は無力さ。だからこそ俺はこの幸せを何度も経験できる。
真刈信二・中山昌亮「オフィス北極星」10/パパ・ルートマン

家族ってなんだろね。
ぼくはわかりあえなくてもいいと思ってる。
西原理恵子「ぼくんち」3/こういちくん

世にある全ては…完全なものだ…
俺もお前も…頼芸も、前守護職の政頼も…
ゆえに…人間とは自分中心でしか生きられぬ…
自分中心でしか生きられぬなら、人は生きているだけで他者を傷つける…(中略)
それを認識して人は仏の慈悲の教えがわかる。
本宮ひろ志「猛き黄金の国 道三」5 /西村勘九郎(斎藤道三)

迷いはやる気の証拠。上に立つものは部下の迷いを晴らしてやる義務があるのであり、そのための力が必要である。
VHS開発者・高野鎮雄(元ビクタービデオ事業部長)

おめえの言うとおり(ペンは剣よりも強し)だ。いまは現実的にペンの力は剣を持つ人間をもつぶすことができる。
ってこたあ、ペンも剣も人間の使い方一つで−−−どちらも最低の暴力になるってことだぜえ!!
島本和彦「大熱言」/アニキ

い、いいんだ、いいんだよ。有難うよ。
こ、これであたしゃ…おかげではっきりとわかった。あたしの剣はやっぱり……
目の見えないことの……臆病な恐れからさせた剣だってことが……猫に追い詰められた臆病鼠の剣法なんだってことが……
フ、フフ……あたしァね、佐武やん。
自分の強さが……怖かったんだよ。その強さで一生涯人を斬りつづけることになるんじゃないかと思って……ね。
で、でもいま……世の中にはあたしより強い奴がいるって。
そしてあたしは、やっぱり……誰かに助けられねえと負けちまう目の見えない按摩だってことが判って……

な、なんだかホッとしているんだよ!!
石ノ森章太郎「佐武と市捕物控」『熱い風』/松の市

「辛いのなんてあたりまえ、泣くことあるのもあたりまえ、だけどそれでも命はね、しまっておくわけにいかないの」
あたりまえだよ生きてんだから。いざ生きむ、いざ死なむ、少しずつ。
永野のりこ「GOD SAVE THE すげこまくん!」10 まえがき

じいちゃん。ぼく知ってんで。
こういう時は笑うんや。
西原理恵子「ぼくんち」3/二太

俗に「食えぬ」という
まことに食えぬ人間
この不味きいのちひとつ
ひとにすすむべくもなき
いのちひとつ

齢三十とあれば
くるしみも三十
かなしみも三十

しかもその甲斐なく
世に愚かなれば
心貧しければ
魂は身を焦がして
滅ぼさんばかりの三十。
石垣りん「三十の抄」