名言館 8

ふつうは…みんな…どんな所ででも 上手くやっていけるものなの?
でも南極では上手くやれない人も アフリカでなら…
そう上手くはやれなくても…でも何とかやっていける人かもしれないよね!
そういうことなんだ! ボクが…あの…ボクってきっと、そんなふうなんだ…
サーニン/三原順「はみだしっ子」シリーズ 『ブルーカラー』

天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである。
マキァベリ「手紙」

流れよ我が涙、汝が泉より流れ落ちよ!
永遠に流れて我を嘆かしめよ
夜の黒き鳥、悲しく悪名を歌うところ、
我をはかなく生かしめよ
P.K.ディック「流れよ我が涙、と警官は言った」 巻頭

信用ってのはお前、相手に求めるモノじゃねえだろう。
木場修太郎/京極夏彦「塗仏の宴 宴の始末」

原因は 彼女が天才だったからだ!
ほんとに悩み 苦しんで それこそ石にかじりつかんばかりにして地位を得たものは
どんな障害があろうとも その位置を決して捨てやしない
この苦しみが大きければ大きいほど そんなにも苦労して手に入れたものを おいそれと どうして手ばなすことができるだろう
だが ラーラはちがう
彼女は今の地位をとんとん拍子に手に入れた
なにひとつ苦しむことなく それこそ天才という名にふさわしく なんの困難もなくだ
彼女にとって天才プリマ・バレリーナとは
その地位を手に入れた時とおなじく ほんのささいな障害であっさりとすてることができるものだった!
神は公平な方だと……つくづく思うね
なんの代償もなしに栄光を維持し続けることなど 決してお許しにはならないのだ
トロヤノフスキー氏/山岸涼子「アラベスク」

人間何れは死ぬのである。
だからどうと、そこからどのような結論を引き出すのも各自の勝手であるが、必ずいつかは死ぬということだけははっきり見極めておく必要がある。
人の命を奪ってはならないのも、人間には限られた命が一つしかないからで、我々がいつまでも生きているのならば、人殺しも却って人助けになるのではないだろうか。
第一、死ぬときが来ないならば、生きていて嬉しいこともない。自分がいつかは死んで、跡形もなくなるのだということをよく考えてから、人命尊重も、命は鴻毛より軽しも言って貰いたいものである。
吉田健一「乞食王子」

ロックっぽいもんて、ロックじゃないと思う。
甲本ヒロト(NHKの番組「音楽達人倶楽部」より)

お前に華麗なんて言葉が似合うと思うか 赤木
お前は鰈だ  泥にまみれろよ
魚住純/井上雄彦「スラムダンク」

おまえはおまえの偉大をなしとげる道を行く。
おまえの背後にすでに道が絶えたということが、いまはおまえの最高の勇気とならなければならない!
おまえはおまえの偉大をなしとげる道を行く。
誰にもこのおまえのあとを追わせてはならない!
おまえの足そのものが、いま来た道を踏み消すのだ。「不可能」の文字を掲げるのだ!
ニーチェ「ツァラトゥストゥラはこう語った」

ウォーズマン「だ…誰かオレの顔を見て笑ってやしないか?」
ロビンマスク「だれも笑っててやしないよ!」
ウォーズマン「よ…よかった…」
ロビンマスク「この私が、笑わせるものか…!!」
ゆでたまご「キン肉マン」

読書の極意は邂逅にあると私は思っている。
自分の心が渇き求めているもの、ただしそれがはっきりとした形をとるにいたらず、漠然と、しかも激しく求めているもの、その求めているものを、思わざる僥倖によって満たしてくれ、明確にしてくれるような読書が、真に喜ばしい読書である。
唐木順三「カラマゾフの兄弟」

九分の勝ちをもって下とす。七分の勝ちをもって中とす。五分の勝ちをもって上とす。
武田信玄

穴があったら突っ込むのが男ってもんだろーが!!
流竜馬/「新ゲッターロボ」

心の師となることを願って、心を師としてはならない。
「涅槃経」

ああ、人間は、お互い何も相手をわからない、まるっきり間違って見ていながら、無二の親友のつもりでいて、
一生、それに気附かず、相手が死ねば、泣いて弔辞なんかを読んでいるのではないでしょうか。
太宰治「人間失格」

監守の探査音(サーチ)を10秒おきに出すぞ
しっかり聞き耳を立てろ
鰯の屁一つ聞き落とすなっ!
宇佐見副艦長/小沢さとる「AO6 青の6号」

賢者の信は、内は賢にして外は愚なり。
愚者の心は、内は愚にして外は賢なり。
親鸞

歴史には死人だけしか現れて来ない。従って退っ引きならぬ人間の相しか現れぬし、動じない美しい形しか現れぬ。
思い出となれば、みんな美しく見えるというが、その意味をみんなが間違えている。
僕等が過去を飾りがちなのではない。過去の方で僕等に余計な思いをさせないだけなのである。
小林秀雄「無常といふ事」

ウソつきって何もなくさないけど 何も手に入らないんだよね
あたしウソつきだけど 初めて人に好かれたいと思った
あたしも逃げ場なくしたのかもね。
野中晴/冬目景「イエスタデイをうたって」

あなたが明日会う人々の4分の3は、
「自分と同じ意見の者はいないか」と必死になって探している。
この望みをかなえてやるのが、人に好かれる秘訣である。
デール・カーネギー

人生は落丁の多い書物に似ている。
一部を成すとは称しがたい。しかしとにかく一部を成している。
芥川龍之介「珠儒の言葉」

想像と記憶は一つのものであって、ただ呼び方がちがっているだけである。
シュバルツ・バルト/「The ビッグオー」

拍手は一応景気がいい。だから役者なども手が来たといって大いに喜ぶのだが、しかし見識のある本当の役者になると苦がい顔をする。
真実深い感動につき落されたら、人間はただ呆然として決して手など叩かぬものだ。
だから拍手をさせるのは未だしの芸で、拍手をさせぬのが名人となる。
それにしても上乗の拍手というものは、ほっとして我に返ってからのものだから、一息つくだけの間がある。
決してあんなキッカケを待ってましたというようなものではない。
高田保「ブラリひょうたん」

(ジャック「グレアム!"分別"は?」)
「ありますよ!ボクが来た道をたどって後方百マイルほど行っていただくと苔むして転がってます!」
グレアム/三原順「はみだしっ子」シリーズ 「つれていって」

空はどこに行っても青いということを知るために、世界をまわって見る必要はない。
ゲーテ「格言と反省」

今までして来た悪い事だけで
僕が明日有名になっても
どうって事ないぜ まるで気にしない
君が僕を知ってる
忌野清志郎「きみがぼくを知ってる」

クリスト教はクリスト自身も実行することの出来なかった、逆説の多い詩的宗教である。
芥川龍之介「西方の人」

進化する時ってカタチはあんまり変らない。見えないところが変っている。
イチロー

何とか蜂、何とか云う蜂なんですが、
そいつの翅は、体重に比較して、飛ぶ力を持っていないんだそうです。
まア、翅の面積とか、空気を搏つ振動数とか、いろんなデータを調べた挙句、
力学的に彼の飛行は不可能なんだそうです。
それが、実際には平気で飛んでいる。
つまり、彼は、自分が飛べないことを知らないから飛べる、と、こういうんです。
尾崎一雄「虫のいろいろ」

こんな時に食事ができるようになっておかないと
どこへいっても生き残ることはできないわ。
まず食べなさい それからが男の戦いよ。
気が動転して何も食べられない人にくらべたら、
たとえ震えながらでも食べる人は、食べない人より生き残る可能性がうんとたくさんあるわ。
メーテル/松本零士「銀河鉄道999」

熊本さん 「さあもう15発もなぐったよ! 何か言うことないの!」
幸江 「熊本さんごめん…」
熊本さん 「16発!17発! 
ごめんごめんって一生言い続けるか!」
      「なんであんたはやられっぱなしでいるのよ
       頭を下げたままで友達が続けられると思ってんの!
       もうこっちは十分気が済んだんだから
       なぐり返せって 言ってるの!!」
業田良家「自虐の詩」

友人の苦難に同情することならだれにでもできる。
しかし友人の成功に同感するには、たいへんすぐれた性質が必要だ。
ワイルド

問題の一部となるのではなく、解決策の一部となれ。
ブエル・ギャラガー

ほんとに私も はやく気付くべきでしたよ
トウでいつまでも立っていることや 何回も回れるということだけがバレエではないということをね
ほんとに私達の世界はきびしい 若い頃は技術を追うのに一生懸命で
バレエの情緒性を理解できるようになった今はもう 体がいうことをきかないとはね
オリガ先生/山岸涼子「アラベスク」

単に信者が多くあるというだけでその宗派の開祖を空前絶後の大偉人であったと断定する論法には、われらはいかにしてもうなずくことはできぬ。
信者の多いということは開祖の説くところを聞いて、徹頭徹尾感服してしまう程度の脳髄の持ち主が多いという事実を示すだけで、
あたかも、焼けた家数の多いのは木造の家屋が多かったためであるのと何の変わりもない。
丘浅次郎「進化と人生」

注:これから「自虐の詩」を読む予定のある方はこの先ラストのネタバレとなりますので読まないことをおすすめします。





















前略 おかあちゃん
この世には幸も不幸もないのかもしれません
なにかを得ると必ず
なにか失うものがある
なにかを捨てると必ず
なにか得るものがある
たったひとつのかけがえのないもの、大切なものを
失ったときはどうでしょう…
私たちは泣き叫んだり
立ちすくんだり…
でもそれが幸や不幸ではかれるものでしょうか
かけがえのないものを失うことは、
かけがえのないものを真に、そして永遠に手に入れること!
私は幼い頃、あなたの愛を失いました。求め続けました。
私は愛されたかった。
でもそれがこんなところで、自分の心の中で見つけるなんて…
ずっと握りしめてきたてのひらを開くとそこにあった、そんな感じで。
おかあちゃん
これからはなにが起きても怖くありません。勇気がわいています。
この人生を二度と、幸や不幸ではかりません。
なんということでしょう、人生には意味があるだけです。
ただ 人生の厳粛な意味を かみしめていけばいい。勇気がわいてきます。
おかあちゃん いつか会いたい。
そしておかあちゃん いつもあなたをお慕い申しております。
                                     かしこ  葉山幸江
追伸、もうすぐ私にも赤ちゃんが生まれます。
豪田良家「自虐の詩」