〔涙腺直撃編〕

 

お前たちの背番号は全員、近鉄の永久欠番だ、誇りを持って戦え!
梨田監督(2004年、近鉄バファローズ最期の試合にて)

(名門花園高校との試合で80対0になって)
こんな情けない状況で子どもたちは今どんな気持ちなんだろう。
メチャクチャやられて悔しいやろうな、歯痒いやろな、情けない思いをしてるんやろなと思ったとき、
俺はこれまでこいつらに何をしてやったんや!とはじめて矢印が自分の方へ向いた。
俺は何もやってあげていない。偉そうにばっかりしていて、俺は日本代表の選手だった、俺は監督だ、俺は教師だと……
その自分に気づいた時に本当に、すまん、と思って……

(112対0で試合終了して)
お疲れさん、怪我はなかったか、悔しいやろ。
「プロジェクトX」より/山口良治(元伏見工業高校ラグビー部監督)

露の世は 露の世ながら さりながら
小林一茶(幼い娘の病死を嘆く一句)

嘘をつくな、ミッターマイヤー。卿は嘘をついている。
キルヒアイスが、私を置いて先に死ぬわけないんだ。
田中芳樹「銀河英雄伝説」/ラインハルト

そうさのう、わしゃあなあアン、1ダースの男の子よりお前にいてもらうほうがいいよ。
いいかい、1ダースの男の子よりもだよ。
そうさのう、エイブリー奨学金をとったのは男の子じゃなかったろ。
女の子さ。わしの女の子じゃよ。わしの自慢の女の子じゃないか。
アンはわしの娘だよ。

アニメTVシリーズ「赤毛のアン」/マシュウ・カスバート

 うっ。書いてて相当来そうになった。これは、マシュウが死ぬ前に残した最後の言葉。特に「1ダースの男の子より」という所で、元々男の子が欲しかったが手違いでアンが来てしまった、という第1話に視聴者の意識が誘導され、必然的に「これまでの日々」がだばだばっと駆け抜けて・・・ああもう、ダメだ。

・・・・・・・!(無言で敬礼)
松本零士「宇宙戦艦ヤマト」/酒渡酒造先生
 というか、この泣き所は、「地球か・・・」のセリフよりも、艦長室に入ってきて、艦長の死を即座に知り、そのまま涙をこらえ、キッと上を向いて敬礼する酒渡先生だと思います。
 下手に取りすがって泣かれたりするより、こっちの方がググッとこみ上げてくる。いつもギャグメーカーの酒渡先生だからこそ、この描写が生きるんですな。

「お母さん、僕だよ、マルコだよ!」
アニメTVシリーズ「母を訪ねて三千里」/マルコ・ロッシ
 重ねて定番で申し訳ないが、マルコである。
 この子の声の健気さといったら・・・普通のセリフを喋るだけで相当やばいのに、待ちに待った最終回では大爆発。ああ、良かったねえマルコ・・・それ以外に視聴者には感想は許されないのであった・・・

そうだな、トリよ・・・心が生きているのは分かっていても・・・・・・その体が眠っている所へ・・・・・・ここへ来ると・・・やっぱり・・・この下にあいつが・・・あいつの体がある あいつがいるんだと思うと・・・・・・
つらいなあ・・・
松本零士「宇宙海賊キャプテンハーロック」/ハーロック
 ハーロックが、トチローの亡骸が眠る惑星ヘビーメルダーで、墓標に参じるときのセリフ。
 この時に限らず、ハーロックがトチローを思うとき、傍らには、他の者ではなく、必ずトリさんがいる。絞り出すような彼の言葉の脇で、彼の代わりにトリさんは号泣してくれている。
 

ココロノ ヤサシイ オニノウチデス
オイシイ オカシガ ゴザイマス
オチャモ ワカシテ ゴザイマス
浜田広介「泣いた赤鬼」/赤鬼の立て看板
 感動してもそうは泣かない大道寺ですが、これだけは何回聞いてもティッシュ必要指数100%っす。現に5年前も、人形劇見て泣きました。
 これは、音読されたらもうダメ。とくに「ございます」の反復が健気すぎて・・・