★★プロジェクトX〜挑戦者たち★★
総合 火曜日10:15〜11:00
(2000.3.28〜放映中)

●おしらせ●

シリーズ最新刊「プロジェクトX 3〜翼はよみがえった〜」が発売中です。
NHK出版より。

10月より、金曜日午前0:15〜1:00の時間帯で、同週の放映分が再放送されるようになりました。
見逃してしまった方は是非。


 現在、あって当たり前として享受している技術や施設。記憶に新しいあの事件。
 その裏側には、自らのプロジェクトに誇りを持ち、不屈の意志で不可能を可能にした幾人もの汗と涙があった。
 斬新すぎて、周囲の理解を得られない中、必死で企画や予算を通した人達。
 持てる技術を切磋琢磨し、理想の形を実現させた人達。彼らの情熱に感じ入って、喜んで手足となった若者達。
 とかく「独創性がない」と言われがちな日本人だが、本当はこれほどの「作る力」を持っている。一本見終わった後、少しだけ、何だか頼もしい気分になれる番組です。

 系統としては、「知ってるつもり」や「栄光なき天才達」に通じる物もあるが、決してクライマックスを誇張せず、泣きの演出も誇張せず、当時の映像や関係者インタビューを織り交ぜて、正攻法で淡々と語られる手法が、逆に感動をじわっと湧かせてくれる。
 その「淡々ぶり」に一役買っているナレーターが、かつてはパンクバンド「ばちかぶり」で大暴れした田口トモロヲだとは、スタッフクレジットを見るまで気づかなかった・・・

<主題歌>

OP:「地上の星」/ED:「ヘッドライト・テールライト」
  ともに作詞・作曲・歌:中島みゆき

<これまでの放送内容>

3.28 「巨大台風から日本を守れ」〜富士山頂・男たちは命をかけた〜
刈野川、伊勢湾。巨大台風による被害が甚大な中、正確な観測による台風の進路予測は急務だった。気象庁のバラックのストーブの側で語った何気ない井戸端話から、その巨大プロジェクトはスタートした。富士山頂レーダー設置計画。その裏には、巨額の予算を通さねばならない官僚サイド・過酷な現地のリサーチを欠かさずに機器を開発・設置するサイド・危険な富士山上空で命がけの作業に挑んだヘリコプター操縦者・・・それぞれの戦いと努力があった。
4.3 「窓際族が世界規格を作った」〜VHS・執念の逆転劇〜
必ず、ビデオは業務用から家庭用になる時代が来る。そう確信していた日本ビクターの技術者・高野。技術力ではソニーに劣ると見られていた同社。「ビデオ事業部」は立ち上がったが、開発は難航し、チームは会社のお荷物・窓際部署と化していく。しかしその中で、「互換性」「家庭ユーズ」にこだわって完成するビデオデッキとテープ・・・
ソニーのベータマックスに遅れて世に出た「VHS方式」がいかにして世界標準になったか。その戦いと英断を描く。
4.7 「友の死を越えて」〜青函トンネル・24年の大工事〜
当初、青函トンネルの工期は10年の予定だった。トンネルマンたちの町を作るところから始まった大工事。厳しい北の自然、容赦ない出水、犠牲者を産んだ事故、伸びに伸びる完成予定。その中で、「歴史に残る大工事を完成させる」というプライドで戦い抜き、「みんなで歩いて北海道に渡る」ことを夢見たトンネルマン達の戦いの記録。
4.18 「ガンを探し出せ」〜完全国産・胃カメラ開発〜
もと戦医で復員した宇治は、生き残った命を胃ガンとの戦いにかけていた。早期発見のため、患者に苦痛を与えず、患部を明瞭に撮影できる胃カメラの必要性を痛感した彼は、オリンパス光学の門を叩いた。レンズ・フィルム・シャッター・・・全てを0から作っては改良する日々。中でも、生え抜きの電球屋が作ったフラッシュランプの完成で、夢が一気に現実に迫っていく。
4.25 「世界を驚かせた一台の車」 〜名社長と闘った若手技術者たち〜
大気汚染に苦慮するアメリカで立法されたマスキー法。誰もが実現不可能と言った厳しい排気ガス基準だったが、ホンダの若手社員はあえてこの規制値に挑んだ。空冷・水冷を巡る論争で偉大な技術屋・本田宗一郎と対立してまで、「自動車業界としての使命」をかけてCVCCエンジンの完成にかける若き技術屋達の戦い。
そのCVCCを搭載したシビックは見事マスキー法の規制値をオールクリア。世界初の快挙をなしとげる。
5.2 「妻へ贈ったダイニングキッチン」〜勝負は一坪 住宅革命の秘密〜
東京の焼け野原に立った大蔵省建築技官・尚明。より多くの人に使いやすく明るい住宅を供給することに人生を捧げる決心をし、住宅公団で活躍する。要求に反して、たった一坪しか増えなかった公団住宅の建坪。しかし、甲斐甲斐しく彼を支える妻を思いやったとき、その一坪を主婦のために使おうと発想。
 美しく、使いやすく、明るい団欒の場としてのダイニングキッチンの発想。そして一からの構築が始まった。
5.9
「執念が新幹線を生んだ」〜老友90歳・戦闘機が姿を変えた〜
 戦後、GHQの命令で公職を追われた旧日本軍の実力ある技術者たち。一方、飛行機が急速に普及し、鉄道は一気に危機に陥る。斜陽の交通機関とならないために、新しい列車が必要だった。その為に国鉄の鉄道技術研究所に招かれ、顔を合わせた旧陸軍・空軍出身の3人の技術者。彼らは「今度は平和のために技術を活かす」ことを目指して、東京−大阪を3時間で走る新幹線の開発に着手する。
 零戦の振動を抑えて改良した松平は、高速走行の激しい振動を吸収する台車の開発に、信号通信の研究をしていた川辺は、線路に低周波の信号を送って高速で走る列車を正確に止めるATCの開発に。そして、特攻機「桜花」を設計したことで良心の呵責に苦しむ三木は、空気抵抗を減らす車体のフォルムを研究にかかった。彼がモデルにしたのは、自らが開発に携わった旧日本軍の急降下爆撃機「銀河」のシルエットだった。
 運命の高速走行試験、車体は250km/hの速度と振動に耐えうるのか?
5.16 「カールルイスの魔法の靴」〜超軽量シューズ・若手社員の闘い〜
5.23 「海底ロマン! 深海6,500Mへの挑戦」〜潜水船・世界記録までの25年
10 5.30
「全島一万人 史上最大の脱出作戦」 〜三原山噴火・13時間のドラマ〜
 「火山の島」として観光で生きる大島の人々。火山の活発化に、最初は胸をときめかせた島民と観光客だが、次第に容赦ない自然が牙をむき始める。三原山噴火、そして民家に迫る溶岩。島の助役は「一人のけが人も出さず、島民を安全なところへ」と固い決意で脱出作戦を指揮する。しかし、生き物である溶岩の進路は予想外の方向に絶えず変化する。安全な避難路、港は一体何処?
 全員脱出まで灯火を絶やすまいと、発電所に残った電力会社の技術者。危険を顧みずお年寄りをおぶって走る消防団員。最後になるかも知れない若妻を後に、自身の中で決死の島民輸送に赴くバス運転手。近隣の漁船まで協力した、全員脱出作戦は、いかにして犠牲者ゼロを実現したのかを描く。
11 6.6 「美空ひばり 復活コンサート」〜伝説の東京ドーム・舞台裏の300人〜
12 6.13
「裕弥ちゃん1歳 輝け命」〜日本初・親から子への肝臓移植〜
 生まれながらにして肝臓機能に重大な欠損を持つ杉本裕弥くんの一生は、病と闘い続ける日々だった。「この子のためならどんなことでもしよう」と一つになった家族は、わずかな望みに賭けて生体肝移植を望む。
 国内初めての試み。失敗すれば、単なる医療ミスどころか「殺人罪」に問われる執刀医。 しかし「医者としてこの子を救いたい」という気持ちがメスを握らせる。
 父親からの肝移植が何とか成功したあとも、裕弥くんには拒絶反応との戦いの日々が待っていたが・・・
 初めての言葉「ああちゃん」、命の火が燃え尽きるまで父母の手で育んだ宝石のような日々。病との戦いと家族の絆を描いた感動の一編。
13 6.20 「パンダが日本にやって来た」〜カンカン重病・知られざる11日間〜
14 6.27 「厳冬 黒四ダムに挑む」〜断崖絶壁の輸送作戦〜
 戦後復興のまっただ中にありながら、絶対的な電力不足に伸び悩む関西の経済。それを打破すべく、関西電力は黒部第四ダムの建設に着手する。ダム屋界にその人ありと謳われた名親方・中村が陣頭指揮を取るが、険しく道なき山、急流、過酷な冬・・・と悪条件が重なり、物資輸送は難航を極めた。ブルトーザーを使った大胆な滑り降り作戦・失敗の許されない大発破計画の行方はいかに?
 そして、衣食住全てにおいて極限状態のスタッフを厳しく叱咤しながらも、誰よりも早く起きて現場の安全保守を欠かさない中村の姿があった。その彼の期待に応えるべく、犠牲者が出ながらも奮闘するスタッフ。ついに7年の工期は守られた・・・
15 7.4 「海のかなたの甲子園」〜熱血教師たち・沖縄 涙の初勝利〜
 終戦後、「日本の中の米国」となった沖縄。アイデンティティを見失った子供達の姿を見て、野球で励まそうと決心した高校教師がいた。砲撃で穴だらけのグラウンド、4本だけのバット、監督自らのへたくそなノックから、夢の第一歩が始まった。
 一県一校出場制になり、始めて踏んだ甲子園のグラウンド。しかし、パスポートを持って渡った球児達には、甲子園の土を家に持ち帰ることすらかなわなかった・・・
 今や「強豪」と恐れられる沖縄県勢が、甲子園初勝利を掴むまでを描く。
16 7.11 「翼はよみがえった(前編)」〜YS11・初の国産旅客機〜
戦後、日本軍の飛行機はすべてアメリカに接収され、歴戦の名機達も完膚無きまでに廃棄されていった。苦渋の思いを乗り越えて、航空技術3社は「平和の翼」・国産旅客機を産むプロジェクトを始動。多くの伝説的なヒコーキ屋が関わり、また飛行機を知らない若手達も、夢に向かって邁進する。
しかし、折しも新幹線の開発時期と重なって、なかなか予算が認められない。一世一代の大勝負、実物大の完全模型(モックアップ)に巨額を投じて突貫工事、決行された一大プレゼン。
 「これが諸君がこれから作る飛行機だ!」その一言に心を躍らせる若手達だったが・・・
17 7.18 「翼はよみがえった(後編)」〜YS11・運命の初飛行〜
 YS11制作にGOサインが出た。しかしモックアップが出来たのみで、実際に設計してとばせるのはここから。その正念場に、プロジェクト黎明期から携わった4人は年齢的な限界を感じ、後輩である天才設計者・東条に全てを託し現場を去る。東条の指揮のもと、昼夜を問わず妥協を許さぬ図面引きが始まった。
 飛行実験を終え、アメリカ航空局からの認定を求めたが、バランス不備を理由に最テストを課される。片発飛行。国産航空機の運命を決める飛行テストに課された条件は、想像を超えて過酷なものだったが・・・
18 7.25
「国境を越えた救出劇」〜大やけどのコンスタンチン君、命のリレー〜
 「全身大やけどを負った子供がいる。何とかそちらで治療を受けさせてもらえないか」。突如入った一本の電話、かかってきたのはサハリンから。当時「鉄のカーテン」により、近くて遠い島だったサハリンからの救援。現場は当惑するが、やけどの治療は時間との勝負。人命救助のために、鉄のカーテンをどう超えるか?そして悪天候の中、重傷のコンスタンチン君を安全かつ迅速に輸送、入国させる手段は・・・?
SP 8.1 人の上に立つということ(スペシャル)
SP 8.8 若き技術者の誇りとは(スペシャル)
19 8.22 「宇宙ロマンすばる」〜140億光年 世界一の望遠鏡〜
20 8.29 「誕生!人の目を持つ夢のカメラ」〜AF14年目の逆転〜
21 9.5
「東京タワー・恋人たちの戦い」〜世界一のテレビ塔建設・333mの難工事〜
 戦後復興に励む人々の心に灯をともした新メディア・テレビ。しかし各社のアンテナが乱立し、電波状況が混乱していた。世界一のTV塔を建設し、各社アンテナを統合する一大プロジェクト。腕に覚えのある鳶職達が集まってきて、シビアな工期の過酷な工事に、プライドを持って立ち向かう。大型クレーンなどない中、15mの風速の中で鉄骨を組み、焼けたボルトを打ち込み、尊い犠牲を出しながらも男達は333mを目指す。
その中で、鳶の若きリーダー・桐生は「完成翌日に惚れた女と祝言を挙げる」ことを決め、現場設計監督は恋人との未来を賭けた。
 最後の仕上げ、アンテナ設置作業の時になって急に吹き荒れる16mの強風。焦れる現場、決断はいかに?
22 9.12
「海底3000メートルの大捜索」〜H2ロケットエンジンを探し出せ〜
 夢を載せたH2ロケットの打ち上げは失敗に終わった。一気に期待から宇宙開発への批判へと変わる世論、窮地に立たされるチーム。その状況でも真になすべき事は、今回の結果を徹底調査して改善し、次への一歩を踏み出すこと。しかし肝心のロケット部分は、溶け落ちて日本海沿岸の深い底へ沈んでいた。
 光なく海流の変化も激しい深海の探査は、まず計算によって推定場所を割り出すことから始まった。この難しい仕事を手がけたのは海底探査のプロ、そしてコンピューターをも上回る計算のプロ。自分の仕事に誇りを持つがゆえに時に衝突しながらも、お互いの経験と勘は次第に真実へと近づく。
23 10.2
「悪から金を取り戻せ」 〜豊田商事事件・中坊公平チームの闘い〜
 まがいもの商法による戦後最大最悪の詐欺、豊田商事事件。老人達の老後資金を中心に1800億も巻き上げたこの事件は、永野会長刺殺というショッキングな事件で最悪の幕引きを迎えた。被害に泣き、周囲の「自業自得」という冷たい視線に二重に傷つく老人達に金を返すため、中坊公平は破産管財人チームのリーダーを引き受ける。しかし豊田商事の1200億円の資産は、半分が社員の給料に、もう半分が不動産・先物などの投資や事業失敗により失われていた。
 中坊は、警視庁に直談判、異例の「捜査資料の引き渡し」を要求。チームの弁護士達は、諦めずに膨大な資料を丹念に調査。金の行き先を克明に調べた上で打ち出した回収計画は、実に突拍子もない発想・・・しかし唯一の方法だった。
24 10.10
「史上最大の回収作戦」 〜豊田商事事件・中坊公平チームの闘い〜
 前代未聞の回収計画。回収する先は何と、豊田商事の胡散臭さに気付きながら契約を交わしたゼネコンやビル貸し主。法的には「善意の第三者」である会社に、連日食い下がっての説得交渉。その最中にも、豊田商事への債務返済を迫る金融業者や暴力団との戦い、そのウソの看破など、地道な資料調査と交渉は続く。
 そして中坊公平が示した次なる請求先とは、何と国税局!日参の末にとりつけた、「社員一人一人が違法行為を働いていた確実な証拠があれば、所得税を返還できるかもしれない」という解釈。立ち上がった被害者達に励まされ、プロジェクトは一歩ずつ前へ進むが・・・
25 10.17
「幻の金堂 ゼロからの挑戦」 〜薬師寺・鬼の名工と若者たち〜
 戦乱によって薬師寺金堂が焼失したのは実に500年前。図面すら残っていない状況で、プロジェクトは発掘による遺構調査、現存史料の徹底的検証から始まった。
 この一代難事業を仕切れる人間はただ一人。西岡常一。折からの建築ブームで多くの宮大工が民家建築に走る中、寺社の仕事以外は固辞し続けた生粋の宮大工。寺社建築の全てを知り尽くし、木材の一つ一つと対話して癖を見抜き、適材適所で活かしていく手腕で知られた。宮大工不足の中、若き大工達が彼の元に集う。仕事への態度・技術を「叱って教える」のではなく目で盗ませ、体に覚え込ませる西岡。親方に心酔し、時には反発しつつ、若者達は腕を磨き、木と対話しながら幻の塔を構築していく。
26 10.24 「うまい米が食べたい」 〜コシヒカリ・ブランド米の伝説〜
27 10.31 「日米逆転! コンビニを作った素人たち」
28 11.7
「夢のエンジン誕生」〜廃墟からの復興・ロータリー47士の闘い〜
 原爆に蹂躙された街、広島。誰もが家族や友人を失い、埋めることの出来ない空虚感を抱えていた。奇跡的に焼け残った東洋工業(現・マツダ)には焼け出された人が集い、役所の仮庁舎までも作られた。原爆で妹を失った山本もまた、心の穴を埋められないまま惰性で働く日々だったが、会社で製作した三輪オートが復興に役立っているのを見て、新しい自動車を作って復興に繋げようと決意する。彼に賛同した「47士」は、夢の新エンジン「ロータリーエンジン」の実用化に向けてプロジェクトを始動する。しかし、目の前に立ちはだかったのは、いくつもの難題だった。
 ロータリー搭載の伝説的名車「コスモスポーツ」の誕生までを描く前編。
29 11.14
「ルマンを制覇せよ」〜ロータリーエンジン 奇跡の逆転劇〜
 苦闘の末に完成したロータリーエンジン。しかし突如襲来したオイルショック。「燃費が悪い」という唯一の欠点により、マツダとロータリー四十七士は窮地に立たされる。大食いエンジンの汚名を晴らすべく、ロータリーをこよなく愛するレーサー・寺田陽二郎は単身ル・マンへ殴り込む。挫折を経て世界一の耐久レースでの勝利を目指すチームだが、1991年、「ロータリーエンジンの使用は今年限り」とレギュレーションが変更された。最後のチャンスに全てを賭けたマツダチームを、メルセデスとの一騎打ちが待つ。
30 11.21
「ツッパリ生徒と泣き虫先生」〜伏見工業ラグビー部、日本一への挑戦〜
 元ラグビー全日本チームだった山本は、数々のオファーを退けて指導者の道を選んだ。希望に燃えて足を踏み入れた初任校は、京都一荒れた学校だった。グラウンドにすら出ずに部室で喫煙し、練習試合をボイコットする部員・・・ラグビー部と荒んだ生徒を一から立て直す孤軍奮闘の日々。そして迎えた京都府大会、対戦相手は名門花園高校。120点もの差を付けられて大敗するさ中、山本は「自分のことばかり考え、実はこいつらのために何もしてやれていなかった」自分に気づく。我知らず自然に口をついた部員へのねぎらいの言葉に、学校一のワルが、チーム全員が泣き崩れた。初めて芽生えた「勝ちたい」という気持ち。巻き返しはここから始まる。ドラマ「スクール・ウォーズ」の元となった感動の実話。
31 11.27
「よみがえれ、日本海」〜ナホトカ号重油流失・30万人の奇跡〜
 ロシアのタンカーが座礁し、折れた船体から重油が大量流出。突然の事故に、漁業と観光の街は一気に絶望に押し潰された。しかし、ニュースを知って日本各地から多数のボランティアが到着。悪天候にも手を休めない彼らの真剣さは、自暴自棄になりかけた地元漁師達の心をも救う。
 一方、ボランティア参加によって、宙に浮いていた自分の居場所を見つけた人達もいた。庶務の仕事に奔走する若きフリーター、かつての仕事を活かして在庫管理のプロとして活躍する定年後の男性・・・今回は、事故のまっただ中にいて、ボランティアの衣食住や地元民との関係調整などに奔走したとある公務員の視点から語られる。
32 12.5
「伝説の深き森を守れ」〜世界遺産・屋久杉の島〜
 豊かな原生林の恵みで林業を営む屋久島。しかし戦後の高度成長に無関係ではいられなかった。貴重な古木が伐採され、一方で過疎が進む。島から東京に出てきていた二人の若者は状況を憂慮するが、「東京者」の立場ではその声は誰にも届かない。一大決心をして妻を説得し、島に帰る二人。しかし伐採否定論は共感を得られず、それどころか島民の収入を妨げるものとして、守るべき住民からも非難される二人。腐る二人を叱咤したのは他でもない妻だった。
 連日東京に出向いての陳情、啓蒙活動も成果を上げず、林野庁は伐採計画を見直す気配もない。しかし一人の林野庁職員が原生林に出向いたことで状況は変わり始める。そして二人が提案した、かくも大胆な二者択一論とは・・
・?
33 12.12
「メイドインジャパン、海外へ」〜トランジスタラジオ・海を渡った営業マン達〜
 戦後しばらく、為替相場が固定の時代があった。日本人は渡航及び外貨持ち出しを制限された時代があった。そしてその頃、「メイドインジャパン」は「粗悪品」の代名詞だった。
 そのまっただ中、ソニーは社運を掛けたポータブルラジオをアメリカ及びヨーロッパに輸出する計画を立てる。単身アメリカに向かい、販売店を探す井深。ようやく有名ブランドからかかった声は、「ソニーでなく、自社ブランドとしてなら買う」という屈辱のオファー。はねつけて帰国の後、プロジェクトは起動した。五里霧中のまま、ごく少数のスタッフが海を渡る。一日に使える少ない外貨をやりくりして、移動・宿泊。しかし「粗悪品」の先入観から、手にさえ取ってもらえない日々。
 ヨーロッパ戦線は、既にドイツ製の優れた製品が市場を席巻。プライドの高いドイツ人は日本製を鼻にもかけない。過労で倒れるスタッフ。駆けつけて仕事を引き継いだチーフには奇妙な日課があった。
 喫茶店に入ると、必ず「ソニーをくれ」とオーダーする。いつか「ソニーはラジオでしょ!」とウェイターに笑われる日を夢見て・・・
 難攻不落のドイツの牙城を切り崩すサクラ作戦、全てを賭けた新聞全面広告。そして奇跡は、クリスマスに起こった・・・
34 12.19 「母から娘へ、託された夢」〜男女雇用機会均等法に賭けた女達〜
SP





1221日(木) 〜日本人のモニュメント〜
午前105分〜  「厳冬 黒四ダムに挑む」(627日放送) 
午前148分〜  「東京タワー・恋人たちの戦い」(95日放送) 
午前231分〜  「執念が生んだ新幹線」(59日放送)
-------------------------------------------------------------------
12
22日(金) 〜家族〜
午前
050分〜  「母から娘へ託された夢〜男女雇用機会均等法に賭けた女性たち」(1219日放送)
午前
133分〜  「妻へ贈ったダイニングキッチン〜勝負は一坪・住宅革命の秘密」(52日放送) 
午前216分〜  「裕弥ちゃん1歳、輝け命〜日本初・親から子への肝臓移植」(613日放送)
-------------------------------------------------------------------
12
23日(土) 〜いのち〜
午前100分〜  「国境を越えた救出劇〜大やけどのコンスタンチン君・命のリレー」(725日放送) 
午前143分〜  「全島1万人 史上最大の脱出作戦〜三原山噴火・13時間のドラマ」(630日放送)
午前
226分〜  「ガンを探し出せ〜完全国産・胃カメラ開発」(418日放送

2000年度の放映は以上です。

★詳しい内容は、NHK公式のプロジェクトXホームページでご覧下さい。
  内容レビュー・今後の放送予定・再放送予定など、情報が充実しています。

★放送内容が単行本になっています。

「プロジェクトX〜挑戦者たち 1〜3」 NHK出版
ハードカバー 定価1700円