★人形劇 三国志★
放送:NHK総合 土曜日18:00〜18:45

全話収録DVDも発売中です。

 当時、横山光輝の「三国志」は既に発売されていましたが、華麗な人形と妥協を許さない制作で大人気を博し、女性や子供に「三国志」というものを知らせ、面白さに開眼させてくれた功績はとてつもなく大きいものでした。
 再放送も何度もされました。

 人形制作は、国際的な評価の高い川本喜八郎先生。

 ここでは、いくつかの人形を眺めながら、当時に思いを馳せるといたしましょう。

(←諸葛孔明)

<原作>

吉川英二

<主題歌>

作詞・作曲/細野春臣

歌・小池玉緒

<人形の秘密>

 12年前、番組で実際に使われた人形が、「三国志人形展」として巡回したことがありました。仙台に見に行ったのですが、造形の美しさはモチロンのこと、衣装や小物が細部まで作り込んであって美しいことに感嘆の溜め息でした。
 一人一人の衣装は、風合いを出すため、新しい布ではなく、江戸時代あたりの古い着物や端切れなどをフル活用して、細かいところまで手縫いして仕上げるのだそうです。武将の鎧や戦装束には、古い帯が使われるとのこと。
 また、繰演のためには重量をなるべく軽く仕上げねばならず、金属に見える部品も、よく見ると紙や布を巧みに使って、軽量化を図りつつぬくもりを出しているのでした。

<フェイバリット人形>

<諸葛孔明>

 やっぱり、何てったってこのお方を外すわけにはいきません。
 後の、凡百な漫画家達が、彼の容姿を女性化することでしかその美しさを表現しえなかったのに比べ、しっかり「男性」しつつ、知性と神秘を感じさせる造形は、何度見てもうっとりです。

 声は森本レオ。以前より美声で鳴らした彼ですが、この孔明役の成功なくして、現在の「声の仕事」の名声はなかったのではないか、と勝手に思っています。

<貂蝉>

 作中に登場する女性キャラは、少ない上にわりと面白みに欠ける造形(美芳などは、キャラは面白かった)でした。特に、ヒロインたる淑鈴が声も顔も今ひとつだったように思います。

 が、この女性無しに三国志は語れない貂蝉はとても綺麗でした。
 艶があるというか何というか、動かない人形展でも、一際輝いていました。
 衣装や小道具も綺麗だし、多分繰演も良かったような記憶があります。

 董卓と呂布を手玉に取る悪女・・・なのですが、儚ささえ漂っていて、いやあ、良い造形でした。

<関羽>

 ヒゲの先まできっちりフレームインさせてみました。
 熱血漢なのですが、状況をしっかり見つめ、時にクール。ダンディな関羽の格好良さが全て体現されていて好きですね〜。

 声は石橋蓮司。悪役の印象ばかりが強かった石橋さんですが、この関羽役で、声の美しさと演技の上手さを知った人は数知れず、でした。

 なおこの鎧、和紙を重ねたものをパーツとし、一枚一枚縫い合わせているのがお分かりかと思います。

<張飛>

 まあ何ですね、「いかにも張飛」という造形(例外的に格好いいのは横山版くらいのものだと思う)です。
 声にせんだみつおを使っていることからも、一種ギャグメーカーの位置づけなのは明らかですが、それでも場面やポージング一つでなかなか光る人形でした。このアゴを引いた写真も、なかなか格好いいです。

*番外*

 少し残念なのは、本国の「演義」と同じく、劉備(左)=正義の人、曹操(右)=悪の姦雄というイメージから跳躍できなかったことでしょうか。そのため、人形の造形自体は綺麗で、「いかにも」なのですが、プラスαの訴求力にやや欠けるような気がする・・・のは贅沢でしょうか。

 中国でも、曹操を見直す動きが出たのは80年代に入ってからですし、ある程度のわかりやすさを要求されれば致し方なかったかもしれません。

・語り部

 狂言回し役として、紳紳(シンシン)・竜竜(ロンロン)というキャラクターがいました。これは、当時デビューしたてで新進気鋭の漫才コンビ・紳介・竜介が語り部役を務めていたのですが、その二人の容貌に似せて作り、ストーリーに少しずつ絡ませた人形劇オリジナルキャラです。
 もちろん紳介は島田紳介。当時の売りだったツッパリリーゼントが何とも懐かしいです。

・キャスト

劉備玄徳:谷隼人
関羽雲長:石橋蓮司
張飛翼徳:せんだみつお

諸葛亮孔明:森本レオ

淑鈴:長谷直美

伊佐山ひろ子
田坂都
松橋登
岡本信人
三谷昇
(キャスト重複が
多かったです)

ビデオソフト

全話収録23巻セット・¥80500
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DVD

全話収録17巻(各¥4800) アミューズより発売中。