原作：城山三郎「黄金の日日」（新潮文庫）
脚本：市川森一
納屋（呂宋）助左衛門/市川染五郎（現・松本幸四郎）、
石川五右衛門/根津甚八
杉谷善住坊/川谷拓三
木下藤吉郎(豊臣秀吉）/緒形拳
美緒/栗原小巻
数ある大河ドラマの中で、一押しの作品です。キャラクターもストーリーもとにかく面白いです。当時小学２年生だった私ですが、何と言っても根津甚八の石川五右衛門にツボ突かれまくりでした。彼が大阪城で秀吉の罠にはまって捕まるシーン・処刑されるシーンは今でも鮮明に覚えています。
主人公の助左衛門は、堺の豪商の奉公人でした。船乗りになりますが、船が難破してルソンに漂着。その後帰国し、富を蓄えた助左衛門はもう一度呂宋にわたり交易を希望、それを果たします。夢に向かって、それぞれ活躍する五右衛門と善住坊。しかし、彼ら同様助左衛門の友人であった木下籐吉郎は、権力を得て独裁者となり、自由都市・堺を支配しようとし、３人とは対立していきます。
その秀吉の心理の変化・後の残忍さを、若き緒方拳が見事に演じていました。
それまで武将が主人公だった大河ドラマで、始めて庶民が主人公となった作品。また、武力の衝突でなく、経済面で世の中が激動していく様を描いた所が、いかにも城山三郎的と言えます。
原作を遙かに凌ぐ躍動感。それは市川森一のシリーズ構成の見事さと、役者陣の若さのパワーが結実して生まれたものと言えるでしょう。
タイトルを「日々」と表記するのは誤りです。