無用知識袋・丑の巻
- 31.馬肥ゆる
- 「天高く馬肥ゆる秋」の「馬」とは、北方騎馬民族の馬。つまりこの言葉は、「秋になって餌を沢山食べて馬の体格が良くなった。今年も騎馬民族が攻めてくる季節だ」という、警告の意味合いが強い言葉なのである。
- 32.ガムのペンギン
- ロッテ・クールミントガムのトレードマークと言えばペンギン。この製品は、同社が南極越冬隊の携帯食料の開発に取り組んで製作されたもの。故に南極にちなんでペンギンのマークを使っている。しかし旧パッケージの背景に氷山(があるのは北極)があるのは摩訶不思議?
- 33.チョンガー
- 今ではあまり使わないが、独身男性を揶揄する言葉で「チョンガー」というのがある。これはハングルで、漢字では「総角」と書く。元来「成人前の男子の髪型」を指すのだが、転じて「イイ年齢なのに、家庭的に半人前」という負の意味合いが込められるようになった。
- 34.ドーラン
- 舞台のメイクなどに用いられる、油性の練り白粉の総称。実は社名である。
ドイツ・ドーラン社のものがよく使われたため、いつの間にか他社の製品も「ドーラン」と呼ばれるようになった。
- 35.一粒300m
- おなじみグリコのキャッチフレーズ。創業者の江崎氏は、「一粒300m」というフレーズを先に考え、陸軍医に行軍のためのカロリー量を聞き、そこから300m行軍するためのカロリーとグリコーゲンの量を計算して貰い、一粒に実際に栄養価を入れた。
実はこれ、厳密には「320m」分のカロリーだという。ここにまで「オマケ」があるとは。
- 36.サターン
- 土星の名称や、セガサターンの「サターン」は「saturn」。ローマ神話の農耕神「サトゥルヌス」の英語読みである。音が似ているからと言ってキリスト教で言う魔王サタンと重ね合わせるのは誤り。
- 37.門のライオン
- 西洋では、「ライオンは目を開けたままで眠る」と信じられていた。宮殿、ビルなどの玄関にライオンの蔵があったり、ライオンの顔面を形取ったノッカーがあるのはその為。「家の見張り番」というわけである。
- 38.コウモリ
- 西洋では、悪魔や吸血鬼の眷属として悪印象を持たれているが、中国では幸福のシンボル。というのも「蝙蝠」の「蝠」の字のつくりが「福」と通じているため。漢字の一部を活かしたこのような文字の流用や見立ては良く行われる。
また、中国では蝙蝠を田畑に呼び寄せる仕掛けを作り、その糞を肥料に利用したりと、非常に親しまれている動物である。
- 39.ピンハネ
- ピンは「1」を表す。ポルトガル語「PINTO(点の意)」から来た言葉。
商売の場で、番頭や世話役が、儲けや経費の1割をチップとして吸い上げる慣例が横行していたことから、「中間に立って利益をせしめる」意に使われるようになった。
- 40.ボタンの位置
- ボタンホールの付き方が男女逆なのは、女性が男性に服を着せてやるのが一般的だった時代の名残。鏡の位置でも女性がボタンを留めやすいように出来ているのである。
- 41.南部拳銃
- 南部14年式拳銃等の「南部」という名は、陸軍の南部麒二郎大尉が考案したことにちなんでいる。
- 42.ローマは一日にして成らず
- この言葉は古くからの言い伝えではなく、、セルバンテス作「ドン・キ・ホーテ」の中に登場する言葉である。
- 43.カーネルサンダース
- ケンタッキー店舗の前に必ず飾ってある創業者の人形だが、このディスプレイは日本だけのもの。当初日本では馴染みの薄かったフライドチキンに親近感を持って貰うために、親しみやすい人形を立て、同時に大きなインパクトを狙った。ちなみに人形のサイズは、サンダース氏が60代の時のサイズと全く同じ。
現在では、海外の店舗でも日本をまねてサンダース像をディスプレイするところが増えている。
- 44.カッパ
- 雨具の「カッパ」はポルトガル語の「capa」から来ている。「capa」はキリスト教僧侶の法服などに見られる、ゆったり長いガウン状の上着。それをまねて作った防寒コートを「カッパ」と読んだのである。「合羽」は当て字で、「河童」とは一切関係がない。
- 45.闘牛
- スペインで行われる闘牛で、負けて殺された牛は即刻食用に供される。死後硬直が完全に解けておらず、肉の熟成も皆無な状態なので、食肉として捉えた場合は美味いものではない。しかしスペインの人にとって、闘牛のパワーを身体に取り入れるということの意味は大きいのである。
- 46.闘牛(2)
- 闘牛用の牛は、専用の牧場で育てられる。闘争心を培うために、それぞれ別の厩舎に入れ、生後すぐに親から引き離し、他の牛ともふれ合わせないようにして特別な育て方をされるのである。また、ハングリーさを養うため、餌も満腹になる手前までしか与えられない。
- 47.ブレザー
- 「blaze」は英語で激しい炎の意。もともととあるイギリスのミッションスクールの制服の上着が赤いテーラージャケットだったことから、その上着の赤さから「blazer」と呼んだのが始まり。故に、原義的には「赤いブレザー」こそ正しいブレザーであり、「青いブレザー」という呼び方はちょっと妙とも言える。
- 48.プレイボーイのウサギ
- プレイボーイのトレードマークといえば、おなじみ横向きのウサギ。これは、ウサギの雄の繁殖力が強く、まさに「動物界のプレイボーイ」であることにちなんで決定したもの。
また、バニーガールはシカゴのプレイボーイクラブのホステスの衣装としてデザイン・考案されたもの。ウサギの耳に蝶ネクタイ、レオタードにタイツ・ハイヒールというあのスタイルは、プレイボーイが特許登録している。
- 49.日本酒の名前
- には、「○○正宗」というのが各地に散見される。
この「正宗」は日本刀の名刀にひっかけて「切れ味がいい」ことを示す洒落だといわれている。
また、「正宗」という名の酒は、天保年間に灘の酒造家・山邑氏によって醸造された。
- 50.チャルメラの屋号
- 明治のインスタントラーメン「チャルメラ」は、屋台おじさんのイラストでおなじみだが、この屋台の屋号は「当たり屋」。よく見るとイラストに描いてある。
- 51.テトリス
- 「テトリス」という名前は、ロシア語で「4」を表す「チェトールィ」から来ている。パズルの図形がそれぞれ4つの■を組み合わせて出来たパーツであることを示す。
- 52.仏像の額
- 仏像の額にある点は、ホクロではない。「白毫(びゃくごう)」といい、柔らかく長い一本の毛が丸まったもので、その毛を伸ばすと3mもあるという。
紅茶の「オレンジペコー」の「ペコー」は「白毫(ペイコー)」のことで、茶葉の芽の部分の柔らかさを白毫に例えたもの。香り、味ともに一級品の紅茶である。
- 53.ミロのヴィーナス
- 地中海メロス島(英語読みで「ミロ等」)で発掘されたことから、「ミロのヴィーナス」と呼ばれるようになった。
- 54.プランクトン
- ギリシア語の「planktos(放浪者、漂うもの)」から付けられた名前である。
- 55.月名の由来
- 英語の「September(9月)」はラテン語の「7月」に由来し、同様に「October(10月)」は「8月」、「November(11月)」は「9月」、「December(12月)」は「10月」の意味である。
これは、古代ローマの暦では、一年は「March」から始まって10カ月と考えられていたためにずれが生じたせいである。
- 56.コロンビア
- 南米のコロンビア共和国は「Colombia」、アメリカ国内のサウス・カロライナ州の首都コロンビアや名門コロンビア大学は「Columbia」。どちらもコロンブスの名にちなんだ地名だが、綴りが違う。
- 57.ワシントンD.C.
- アメリカの首都ワシントンを示す「ワシントンD.C.」の「D.C.」とは、「District of Columbia(コロンビア特別区)」の略。
かつてアメリカの事実上の首都機能はフィラデルフィアにあったが、議会を特定の州で開くことで公平さを欠くという懸念から、政府は新首都をどこの州にも属さない場所に置くことにした。
ポトマック河畔の四角い土地を「コロンビア地区」と名付け、ここに首都機能を置くことに定めた。この地区は本来「コロンビア準州」となり連邦都市を「ワシントン市」にするはずだったが議会に承認されず、結局「特別区」として認定されることになったのである。今ではその名は「ワシントン」の中に埋没してしまった。
なお、太平洋側にある「ワシントン州」とは別物である。ややこしい。
- 58.PPM
- 微量含有量の単位として知られるPPMは、「Parts Per Million」の略で「100万分の1」の意。ちなみにそれより小さい単位は「PPB」で、こちらは「Parts Per Billion」で10億分の1である。
ちなみにフォークグループ「PPM」は「Peter,Paul&Marie」の略。
- 59.カツ
- 日本の食生活に完全に馴染んだ「カツ」は外来語。英語の「cutlet」が「カツレツ」と呼ばれるようになり、省略されて用いられるようになった。
- 60.菊の御紋
- 天皇家の紋として有名だが、皇室の菊は「十六葉八重表菊」、宮家の紋は「十四葉一重裏菊」。花びらの数が違う。
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