無用知識袋・未の巻

181.ボツリヌス菌
「ボツリヌス」の語源は、”Botulus”。これはラテン語で「腸詰、ソーセージ」の意。ヨーロッパではボツリヌス菌に汚染されたソーセージを食しての中毒者が多かったため、今でも「ソーセージ中毒」と呼ばれる。
同じ菌でも種類があり、もっとも毒性の高いA型は日本には存在しない。以前の症例はいずれも輸入食品を経由したものとされている。なお極端な嫌気性で、空気に触れることで死滅する。その性質上、真空パックや缶詰・瓶詰などの、中毒を意識する点で盲点となる食品にいることが多い。死滅温度は120〜130度なので、ボイルでは死なない。
182.消費期限の例外
「鏡餅」や「年越しそば」など、それが商品名として明示してある食品は、原則として、生産者は消費期限の表示を省略できる。
これは慣習上、特定の日(「鏡割り」「12/31の夜のうち」)に開封・食べることが前提となっている、と判断されるため。
183.モネ劇場
ベルギーを代表する大劇場。名前の由来は、ベルギー語で「貨幣」。つまり「money」と同系統の言葉である。
これは、劇場の場所がもと造幣局だったため。ちなみに、画家のモネとは無関係。
184.燃料計の秘密
日本の車は、燃料計がE(Empty=空)を指しても、50km以上は走れるように設定されている。
この50kmは、高速道路のSAとSAの標準的な距離に準じている。もし高速道路上でEまで減っても、次のSAまで何とか走れて、立ち往生しないようにと考えられたもの。(情報提供:りょうMC08さん)
185.宣教師の頭
フランシスコ・ザビエルの肖像が一番有名だが、カトリック修道士は頭の天辺を丸く剃っていた。というわけで、あれはハゲではないのである。正式名称は「トンスラ」という。
186.ナウマン象
日本でも化石が出土したことで有名なナウマン象。その名前はドイツの地質学者、エドムント・ナウマン氏にちなんで名づけられた。
同氏は東大の初代地質学教師で、日本の地質構造の研究に尽力した。(1854〜1927)
187.ハーレム
イスラム圏の後宮・妻妾の居室としてのハーレムは「Harim」、ニューヨークの地名としてのハーレムは「harlem」で、つづりが違う。後者は、ハーレム川とセントラルパークの間にあることから命名された。
188.ドリル
漢字・計算などでおなじみの、教材としての「ドリル」は、工具のドリルから派生。
「錐を何度も紋で穴をあけていくように反復して身につけさせる」ということから、広く反復練習による指導を指す言葉となった。
189.ライオンズクラブ
ライオンズクラブの名前は、動物のライオンとは関係がない。
iberty nterigence ur ation’s afety(自由、知性、わが国民の安全)」の頭文字をとったものである。同団体は、アメリカの実業家達が1917年に創設した国際的な民間社会奉仕団体であり、日本支部は1952年に創設された。
190.行平(雪平)鍋
現在でも広く用いられる、片手の鍋。現代ではアルミや銅の打ち出し鍋が主流だが、もともとは陶製の片手鍋で、土鍋の一種だった。
名前は、在原行平が、この鍋を使って海女に潮を汲ませ、塩を焼いた故事にちなむと言われる。
191.森山周一郎
ジャン・ギャバンやテリー・サバラスの吹き替え、また「紅の豚」の主演で知られる声優・森山周一郎氏は低い美声が魅力だが、なんと小学校2年生からあの声のままだという。
192.カルビー
スナックでおなじみカルビー社の社名は、カルシウムの「カル」とビタミンBの「ビー」を組み合わせたもの。
193.こまごめピペット
東京都立駒込病院の二木謙三医師が、従来のホールピペットを改良して考案したことから、「駒込」の名が付いた。ちなみに英語でもドイツ語でも「komagome pipette」と表記する。
194.グリーンマン
昭和48〜49年に「おはよう!こどもショー」の番組内で展開した特撮ヒーロー・グリーンマン。その命名は、3代目の総合司会者が海老名みどりになったため、「みどり」にちなんで「グリーン」をつけたもの。
195.最短の国道
日本最短の国道は、国道174号。これは神戸港と神戸市中央区を走る国道2号を結ぶ道路。その長さは187.1mである。
196.最短距離鉄道
日本最短距離の鉄道は、2002年10月27日に開通する千葉県の芝山鉄道。これまでの最短であった和歌山県の紀州鉄道の2.7kmよりさらに500m短い2.2kmの路線である。
197.オロナイン
やけど・傷薬として長年愛されてきたロングセラー・オロナインH軟膏。
「オロナイン」は軟膏の原料である殺菌消毒剤の原液を開発したアメリカの「オロナイトケミカル社」の社名から。
「H」は、主成分である「ヒビテン(グルコン酸クロルヘキシジン)」の頭文字のHをとって命名された。
198.うだつ
「うだつが上がらない」の「うだつ」とは、一階の軒の上に付けた白い漆喰部分のこと。「卯建つ」とも書く。もともとは隣家との境に設けた防火壁としての目的があったが、特に商家などではこれを大きく突き出させたり派手に作ったりして、特に高さを競い合い、その豪華さ・財力を大いにアピールした。ここから、財力・甲斐性がないことを「うだつが上がらない」というようになった。現在でも近江・四国などの西日本の町並みに保存されている。
199.ジャノメミシン
老舗のミシンメーカー「ジャノメ」の由来は、ミシンのかまに入るボビンが、上から見たときに「蛇の目」に似た丸い形状だったことから名づけられた。
200.ハリス
かつて「少年マガジン」で連載された「ハリスの旋風」は、フーセンガムで名を挙げた製菓会社「ハリス」がスポンサーだった。同誌掲載の柔道漫画「ハリス無段」も同様のスポンサードを受けていたためタイトルに「ハリス」と付けていた。同社は後にカネボウに吸収合併され、「カネボウハリス」と名前をかえた。
201.コリス
ロングセラー駄菓子「フエガム」「フエラムネ」で知られる「コリス」は、200に挙げた「ハリス製菓」の子会社だったのでこの名が付いた。ハリスの名は消えても、子会社の方は健在で、断片的にその名をとどめている。
202.サントリー
発足当時の主力商品は有名な「赤玉ポートワイン」。この赤玉から連想する太陽(SUN)と、社長の鳥居氏の苗字を組み合わせて「サントリー」と名づけられた。
なお赤玉ポートワインは、産地からクレームがついたため「ポートワイン」の呼称をやめた。現在の商品名は「赤玉スイートワイン」。
203.味の素とハイミー
両方とも「味の素ゼネラルフーズ」の化学調味料で見た目は似ているが、成分が異なる。
「味の素」はグルタミン酸ナトリウム97.5%(昆布系のうまみ成分)に5'-リボヌクレオタイドナトリウム(しいたけやかつお節のうま味成分)を2.5%配合したもの。
「ハイミー」は5'-リボヌクレオタイドナトリウムが8%(味の素の3倍以上)。少量で濃厚な旨みが得られるため、業務用のシェアが高いとも言われる。
204.ウルトラハンド
昭和41年に任天堂から発売された、ジャバラ状のアームを操作して遠くのものをつかむ玩具で、単純だがヒットした。この商品は任天堂のファミコン戦略を成功させた立役者・故・横井軍平氏の処女作である。
205.居酒屋とタヌキ
居酒屋によく信楽焼きのタヌキが飾ってあるのは「他を抜く」「前金」の洒落と言われている。
206.ゲッターロボ
「ゲッターロボ」は、サッカーやバスケットなどの「ポイントゲッター」から名づけられた。
だから敵の帝王の名前もそれにちなんで「ゴール」となった。
207.ビーカー
理科の実験器具・ビーカーの綴りは「beaker」。「beak」とはタカ・ワシなどの猛禽類のくちばしのこと。注ぎ口の形がくちばしに似ているのでこの名が付いた。
208.マリオとルイージ
任天堂を代表するゲームキャラクター・マリオは、任天堂USAにいたイタリア人・マリオさんをモデルにしたのでそのまま名前を使った。
また、2Pキャラで弟のルイージの名前の由来には諸説あるが、最も有力視されている説は「マリオと似た服装の2Pキャラ」→「類似したスタイル」→「ルイージ」となった、というもの。
209.日赤灯油のコピー
「日赤灯油でホッカホカ♪」という、CMソングにもなっているフレーズは、その昔五木寛之が考案したコピー。
現在は同社の合併により「エネオス石油で〜」に変わっているが、今なお現役。
210.食卓のナプキン
西洋料理のマナーでは、食事のときに使ったナプキンは丸めて置くのが正しく、折りたたむのは逆に失礼に当たる。綺麗に折りたたんで置くのは「食事のもてなしがひどいので、もうこの家(店)には二度と来たくない」という強い不満を表すことになる。丸めておけば「最高のもてなしだった」という賞賛と感謝の意を伝える。
211.モーターボードキャップ
欧米の大学の卒業式などでよく被っている、「博士帽」と呼ばれたりする角張った帽子の正式名称は「モーターボードキャップ」という。「モーターボード」とは左官の持つコテ板の意。形が似ているために命名された。14世紀ごろから、イギリスの大学でアカデミックコスチュームとして普及した。