それは4月、大学の中国語授業選択者の、一年生歓迎コンパの場であった。
この時期、飲み方を知らない新入生が、ペースをつかめないまま飲み過ぎて、挙げ句急性アルコール中毒で病院送りになるのは、良くあること。
まして、何故か酒好きが集まる中国関係専攻では、教授陣からして飲み好き、飲ませ好き。その日も、哀れな一年生が救急車のお世話になることに・・・
ぶっ倒れた彼、救急車の中で、ふと意識を取り戻し、目を開けた。
医師や、同乗していた上級生が、近寄って意識の混濁状況を確かめる。
頬を叩きながら、「おい!しっかりしろ!ここ、どこか分かるか?」
「え?・・・ここ・・・?ここは・・・マグネット・シティ・・・・・・・」
「どこじゃあそりゃああああ!!!」
一斉に病人に突っ込む、救急車内・・・
でもホント、どこなのよそれは・・・
10月。山形ではこの時期、馬見ヶ崎川の河川敷で、火をおこして、郷土料理「芋煮汁」を作って食らう「芋煮会」(まんまですが)という行事がある。
河川敷近くにある我が高校では、部活やクラス単位で材料を持ち寄り、芋煮会を開催するのが常。我がマンドリン部でも楽しくアウトドアクッキングの最中に、対岸から流れる、太鼓の音と野球拳の歌・・・
目を上げてみれば、そこで狂ったようにアウト!セーフ!しているのは、応援団。
夏でもガクラン、汗をかきかき学食でマミー飲む応援団。
女人禁制、男だらけのバンカラ応援団。
・・・・・・君たちよ、男だけで野球拳をやって、楽しいのかい・・・・・・?
そんなツッコミをよそに、狂ったように続くアウト!セーフ!・・・
もう脱ぐ物のなくなった物達は、仕方なく冷たい川に飛び込んで、捨て身のボケをかますのであった。嗚呼。
同じ大学の法学部に、Dちゃん(友人の友人)という女の子がいた。服装や物腰が何となく「お嬢様」風の人だった。
大学に入って2,3カ月経った頃、急に電気とガスが使えなくなって、アパートがどうかしたのかと驚き、友人に電話して助けを求めたという。
実は、彼女には「電気・ガス・水道・電話の使用には料金が必要」という概念が全く欠けていたのだった。
皇室の人間は、普段からお使いや市井での物品購入をすることがまずないので、就学時あたりまで「お金」という概念がない・・・という、以前聞いた話を思い出してしまった。
話を聞いて、皆が「Dちゃんはホンマモンのお嬢か??」と色めき立ったという。
それにしても・・・比較的貧乏人が多いこの国立大に、なぜそんなお嬢がわざわざ?そっちの方が謎だったりする私達だった・・・
高校、大学と(学部は違うけど)共に過ごした才女・鴨ちゃんの話。
二人で話していて・・・何でそんな話になったか、もう覚えてはいないのだが・・・確かに鴨ちゃんはこう言った。
「ねえ大道寺〜、男の人のアレって、骨入ってるの??」
過呼吸起こすほど爆笑しつつ、一応、「入ってないよ」と教えてあげました。
っていうか鴨ちゃん、高校の時保体で習ったじゃないか。
そんな鴨ちゃんも、昨年素敵な男性と結婚いたしました。おめでとう。
相方が幼稚園年少さんの時です。秋頃にある「就学児検診」を受けるために小学校に行き、そこで「みんなの好きな食べ物は何かなあ〜?」と聞かれました。
すかさず相方は元気に手を挙げて、
「はい!カリフラワーとサバ缶の骨です!!」
「サバ缶」ってだけでもアレなのに、さらに「骨(いや、美味しいけどさ)」。
その時のお義母さんの心境には、とても想像が追いつかない。
やはり子供には、外で発言する「好物」をあらかじめ仕込んでおくべきなのかもしれない・・・
高校時代、むちんさんと共に演劇部に所属していたにぼしのすけさん。
練習はなかなか厳しく、とりわけ先輩の指導には一切の妥協がなかったといいます。これはそんなある日の光景。
先輩:にぼし! お前が今一番好きな歌はなんだ?
にぼし:怪傑ライオン丸っす
先輩:よし、にぼし! それを歌ってみろ!
にぼし:♪かーぜよ、、、スかりよ、、、
先輩:聞こえんぞ!にぼし! そんなんで客席に届くかぁっ!
にぼし:♪かーぜよ、スかりよ、、、
先輩:もっと!もっとだよぉぉ!
にぼし:♪かーぜよ!スかりよ!、、、
先輩:よし。 ところでお前は「い」段が訛っている。その歌を全部「い」段で歌え!特訓だ!!
にぼし:♪キージイ、ヒキリイ、シイギニイニリィ、、、
(他にも、「ら行のみで『哀・戦士』を歌う特訓」が、あったそうです・・・)
(この文章は、にぼしさんのサイト「子牛力研究所」より転載させていただきました)
Wさんという女友達がいました。
彼女はなかなかの和風美人で、体型も柳腰風。その雰囲気でバイト先でも隠れた人気がありました。
そのWさんの大学時代の話です。
Wさんが信号待ちをしていると、赤信号で一緒になったらしい見知らぬ女の人が話し掛けてきました。
「ねえそこの貴方〜! あなた、一見ほっそりしてるけど、実はお尻とか太ももとか、結構お肉ついてるでしょぉ。」
下半身の体型に何一つコンプレックスのない女性などそうそういるものではありません。
彼女もぶしつけな言葉にギクッとして振り返るとともに、すぐに「こんな朝っぱらからエステのキャッチ…イヤだわ…」と思いつつ、何とか交わそうと社交スマイルで
「ええ、まあ…」と答えました。
すると見知らぬ女性は
「まあやっぱり!私、エステティシャンしてるから、そーゆーの、分かるんですぅ」
とだけ言うと、何の営業活動もせず、風のように雑踏の中に過ぎていきました。ホントに指摘しただけでした。
Wさんの乙女心を串刺しにしたまま。
後にWさんは「キャッチセールスの方が100倍マシだった」と苦渋の表情で語りました。さもあらん。