<2日目 2003年6月22日(日)>

ホテルにて起床。
昨夜の興奮が続いてか、朝早く起きてしまったもので、シャワーを浴びてTVブロスなど読みつつ時間を潰す。
昨夜、Q太郎さんたちとは、「朝食は9時くらいで」と打ち合わせしていた(アバレン見て、555見て、ナージャ流しつつ身支度と荷物整理、くらいの予定で)。
555を見終わり、相方「で、どこに三日殿下さんたち一万五千人が出てきたんだ?」とお約束のボケ。
相方は初めて「明日のナージャ」を見たのだが、
「これって、江口寿史の『エリカの星』みたく、『健気に頑張る可愛い女の子を、周りの人間が可愛さゆえに、勝手に助けてやる』って話かい?」と、OPを見ただけで看破。おおむね合ってると思う。
着替えなどを済ませてまだ時間があった。泊まったホテルが十二社のすぐ近くだったので、朝食前の時間潰しに散歩。神社に散歩するのだから、勿論デジカメ持参。江戸期の狛犬が二対もあり、大満足。(詳しくは後日、狛犬ページのほうに追加予定)

 
足の間をくりぬいておらず、さらにそこに建立年などの銘が切られている、珍しいものだった。

ホテルに戻るとちょうどの時間で、Q太郎さんたちと朝食。バイキング形式の朝食も宿泊料金に含まれていたのでなかなかお得感あり。パンやパンケーキなど、洋食系が美味しかった。
食べながらも、やはり三日殿下さんの話になり、「今ごろ一万五千人で色々やってるんだろうなー、どんなロケなんだろう」「一万五千人で『花嫁ゾロゾロ』かもしれませんよ」などと、車中で見てきたDVDに影響されっぱなしのバカ話。
色々揃ったバイキングにはしゃぎ気味のあんもさん、食べられる量をオーバーして持ってきたらしく、「もうおなかいっぱい〜。ヨーグルト残すー」と、「ごちそうさま」しかかったところで、Q太郎さんの「ダメでしょ」な視線に気づき、すぐさま、怒られた仔犬のように

……(´・。 ・`)食べるぅ。

とヨーグルトを食べ始めたのが可笑しいやら可愛いやらで、ツボだった。

さて、今日の主な予定は「あほんだらすけ」なのだが、開演は午後二時から。「午前中はどうしよう?」ということになる。
何しろ昨日はQ太郎さんたちにはオフに付き合っていただいたわけで、今日はQ太郎さんたちの希望優先にしようと思っていたのだが、「特に行こうと思っているところはない」とのこと。ダメモトで「行ってみたかった所があるんですけど、もし大丈夫なようなら…」と切り出してみる。するとあっさりOKをいただき、今日もまたワガママにお付き合いいただくことに。

付き合っていただけるとは思ってなかった…というのは、その場所が築地本願寺だからである。
本来、寺だ神社だという渋すぎる場所は、友人を引き回すべきところでもないし、目的の下北からは見事に逆方向。
またまたご好意に甘え、地下鉄乗り継いで築地駅へ。駅を出たらすぐ目の前が築地本願寺だった。


町の真ん中に、このインド様式の寺院。想像以上のインパクトがあった。

ここに一度行きたい行きたいと思い続けて、もう10年近くになる。
この築地本願寺を設計したのは、伊東忠太氏。山形県出身の、近代建築黎明期を支える建築家として名前は知っていたが、興味を持ったのは、藤森照信の「伊東忠太動物園」だった。
伊東忠太は、幼少の頃より幻獣・怪物の類が大好きで、北斎漫画に影響された妖怪漫画を描いている。また、トルコや西域を広く旅して、広く動物・幻獣などの造形に触れ、自分の設計した建造物にも、所々にさまざまな動物・怪物の彫刻などを添えている。
その本は、そういった動物たちをメインに据えて解説したものだった。
建築には詳しくないが、寺マニアで、「ディティール大好き」だった私のツボにはストライクで、以来、「伊東忠太の建築と怪物たちを見たい!」という思いをずっと抱いていた(ちなみに同書、「そのうち買おう」と思っていたら絶版になってしまっていた…多少無理をしてでも買っておくべきだったと後悔している)。特に築地本願寺については、写真を見て以来ずっと「絶対行く!」と思っていたのだが、なかなか上京する予定もなく、あればあったで築地に行く余裕もなく、ずっと保留のままになっていたのである。
もう嬉しくて嬉しくて、色々と歩き回って、写真を撮りまくった。(こちらも後日、狛犬ページのほうにまとめる予定)


 入り口すぐにある有翼獅子。これを狛犬と呼ぶにはかなり強引だが、やっぱ狛犬的なものだと思う。

   
これらは、仏教の説話に基づいたモチーフなので、幻獣度は低いのだが、憧れの忠太モチーフにじかに触れることができて大満足。

ちなみに、外側はインドテイストばりばりだが、中は桃山風の寺院建築。でもパイプオルガンがあったりする。
法要の真っ最中だったので、撮影は自粛(でも見学は自由にできた)。
築地本願寺のホームページで、裏側の車止のところにも、象のレリーフがあると知ったのだがなかなか探せず、
結局、一度外に出てぐるっと回って発見し、もう一度中に入り直して、無事撮影することができた。

 
二匹の白象。笑っているような口元が、何とも可愛いんである。
この彫刻群を、なぜかQ太郎さんの琴線に触れるものがあったらしく、私以上に真剣にカメラのシャッターを切りまくってらっしゃったのが意外。

折角築地に来たのだから、ということで、本願寺近くのお寿司屋さんで軽く寿司をつまみ昼食。
アラカルトで頼んだ「煮はまぐり」が美味しかった。

食事の後、下北へ移動。
下北方面は初めてなので、もう全面的にQ太郎さんたちにおまかせで、通学班の下級生のごとく、お二人について歩く。
途中、「マルシェ」で、マニアックな雑貨やら漫画本やらを冷やかして、会場の「ザ・スズナリ」へ。着くとすぐ、予定より早く客入れが始まった。
スズナリの名前は、よく公演案内などで目にしていたのだが、予想以上に小さいのに驚く。
これは自分が無知なだけなのだが、勝手に「『小劇場』と言っても、東京のソレは地方のソレより大きいのだろう」と思い込んでいた節が多分にあり、これまで仙台で入った「オクトパスシアター」や「10BOX」の会場って、広かったんだなー…と、変な感心の仕方をしていた。
何年も見ていて「常連」なあんもさんたちは最前列のかぶりつき、私たちは指定席のすぐ前辺りの席に着席(最前列は首が痛いのと、桟敷なので動きづらいから、こちらの階段席のほうがいいだろうとアドバイスをいただいていたので)。

何の予備知識も持たずに開演を待ったが、2時間きっちり楽しめて、笑いっぱなしだった。
後から聞いたのだが、演目自体は「定番」が多く、「最初はテレビショッピングから始まって、オープニングのダンスがあって、ムーンライトマスクがあって、歌が入って、ゲイのサラリーマンネタ、マジックショーで客いじり…」というような順番もおおむね決まっていて、何年も見ている人にとっては、半ば伝統芸、「待ってました!」なノリなのだそうだ。勿論、私たちのような初見の客にも十分楽しめた。
基本的にショートコント的なネタの応酬なので、これはやはり、こういう狭めの場所に客を圧縮密閉して、「転がりやすい」環境を作るというのも計算のうちなのだろう。Q太郎さんも「これは、大ホールで見るネタじゃあないでしょう」と仰っていた。
チームリーダーは、かつて「欽どこ」で活躍し、現在はレポーターやドラマで活躍している山口良一氏。
お目当ての能見さんは、ダイレンジャーのメンバーの中では「中背でやせ型」という印象だったが、舞台で見るとイメージ以上に「長身」だった。
あんもさんによると、「最後の出演という配慮なのか、いつもよりも少し出番が多かった気がする」とのこと。
演目の一つに、「能見さんを回答者に迎えての二択クイズ(クイズ番組風)」があった。
これはまあ、「最後だから、あれこれ暴露してはなむけにしよう」という、「めちゃイケ」で言うところの「マジオネア」のような企画なのだろう。痛いところをばらされて、能見さんが汗まみれになる、という趣向なわけだが、焦り方・汗のかきっぷりが相当マジで、もしかしたら千秋楽限定の企画だったのだろうか?とも思えた。

司会「五星戦隊ダイレンジャーに出演した能見君、色は黄色?緑?」
能見さん「えーっと、緑!」
司会「ピンポンピンポン」

司会「五星戦隊ダイレンジャーに出演した能見くん、ふところも潤って、当時良く通っていたのは、テレクラとイメクラ、どっち?」
能見さん「ど、どっちも行ってません!」
司会「ブブー
能見さん「なんですか、ブブーって!!」(ということは、両方行ってたんだろうなあ。)

司会「五星戦隊ダイレンジャーに出演して人気を博し、完全に天狗になった能見くん、ファンから貰った花束を捨てたのは、ドブ?ゴミ箱?どっち?」
能見さん「…………………………………………」
司会「えっ、なんですって?聞こえないなあ〜〜?」
能見さん「……ゴミ箱。……」
観客「え〜〜〜〜〜!」「ひど〜〜〜〜い!」と、笑い混じりの大ブーイング。

司会「五星戦隊ダイレンジャーが終わって、仕事がぱったりなくなった中で体を壊した能見くん、舞台に穴を空けたのは『あほんだらすけ9』?それとも『あほんだらすけ10』?」
能見さん「……両方。

司会「若手の役者さん達と仕事をしたとき、先輩風を吹かせて演劇論を説教した相手は、浅野匠守、浅野忠信のどっち?」
能見さん「(ヤケクソ気味に)浅野忠信…」

などなどの、貴重な秘話が聞けますた。

アンコールの後、いつもはオープニングのダンスをアンコールするのだそうだが、今回は大森さんが靭帯を切るケガをしていたということでダンスアンコールはなく、歌の後、出演者挨拶になり、能見さんのコメントも聞くことができた。

客出しも役者さん自身がしてくれた。能見さんにも、プレゼントなり握手なりできそうな感じではあったが、さっきのクイズを聞くと、「特撮経由」な自分にちょっと引け目を感じてしまい、「面白かったです」の一言をかけることができなかったのが、今思えば残念なような気も。もっとも、通路も狭かったので、立ち止まっていられないというのもあった。

外に出て、お茶でも一服と思ったが、どの店も満員で、そのまま先ほどのマルシェに行き買い物。色々面白かったのだが、通路が狭くて人が多く、荷物を持っての移動が辛くて、買い物を済ませたあと外に出て一息。あんもさんにちゃんとその旨を伝えなかったため、探させてしまったのは大反省。
みうらじゅんプロデュースの「うしフィギュア」と、石ノ森章太郎の「ブルーゾーン」購入。後者は長らく復刻されておらず、漫研にあった当時の雑誌のスクラップを読んだのみなので、つい買ってしまった。中身は想像通りすこぶる微妙。
相方は「コミック・キュー300号」を買った。同誌、途中から「100号」とか「200号」とか、わけのわからないカウントをするようになってから、買ったか買わなかったかよく分からなくなってしまった。読むところも号を追うごとに少なくなったし、田中圭一が表紙だけで、漫画がなかったのも残念。

電車で新宿・乗り継いで戸田へ。あとは車で、特撮やシャンゼリオンDVDを見ながら仙台へ。
途中、佐野SAで降りて、ラーメンで夕食。家へのお土産などを買う。
SAでは、変な菓子などを探すのも楽しみの一つなのだが、直径8cm、長さ1mくらいの「超特大麩菓子棒」を見つけ、「うわー、太いなあ」「太くて真っ黒だなあ」「お口に含めな〜い」などと下品なお約束を口々に言い放ち、あんもさんに「この人たち、壊れてるよう」と呆れられる。
トイレに入ったところ、こんな不穏な看板あり。

空から降ってくるものに「注意してください」と言われてもなあ。
戦々恐々として用を足した後、「やはりこれは撮影していってネタにしよう」と、デジカメをバッグから取り出すが、考えてみるまでもなく、「トイレでカメラのシャッターを押す」という行為はヤバすぎる。見つかったらしょっぴかれても文句は言えない。誰も個室から出てこないことを確認しつつ、素早く一枚。どう言い訳してもやっぱり怪しい行為。シャッターを切ったときに「ピッ」と鳴る音が背筋を冷やす。脱兎のごとく手を洗って、その場を脱出する。オフレポの写真一つのために、妙に危ない橋を渡ってしまった一瞬だった。

この手の表示を見るたびに、「伝染るんです。」の「ヒトのフンに注意」というネタを思い出してしまうのは私一人だろうか?

で、車中バカ話をしつつ、何度も代わろうとはしたのだけど、最後までQ太郎さんに運転させてしまったのである。ホント申し訳なし。
仙台に到着して11時過ぎ。車中で見ていた「シャンゼリオン」の6話、「ごめんね、ジロウ」が中途半端だったので、Q太郎さん宅でBパートから最後まで見てしんみりしつつ、お茶などいただく。あんもさんは明日出勤ということで、お風呂を借りた後は早めに就寝。

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