2003年東京オフ記念 記憶スケッチ大会

「記憶スケッチ」とは、その名の通り、「自分の中にある記憶だけを頼りに、何も見ないでその場で、与えられたお題を描く」というものである。
故・ナンシー関女史が「通販生活」で連載していた「記憶スケッチ・アカデミー」がその白眉だ。
オフ会に参加してくださった、やぎだんなさん・やぎつまさんご夫妻が、なんと、こっそりとお題と画用紙とペンを用意してくださっていたのだ。
そして2次会のカラオケ屋に入るや否や、やぎだんなさんの仕切りで始められたのだった。

1回に付き、2〜3個ほどのお題が提示され、そのうちからかけそうなものを選んで描く、という方式だったのだが、のっけから

「『タイムボカン』のペラ助か、『ムテキング』のタコロー」

というマニアックな出題で、ことに20代の参加者にはなかなかハードルの高い出題ではあった。

そんなこんなで、皆さんに描いていただいたものを回収し、テーマ別にまとめてみました。

1:「とんでも戦士ムテキング」のタコロー
2:「バトルフィーバーJ」のバトルケニア
3:ウーパールーパー(アホロートル)
4:「まんがはじめて物語」のモグタン
5:「ピンポンパン」のカータン
6:「サザエさん」のサザエさん


<その1:「とんでも戦士ムテキング」のタコロー>

このテーマの難しさは、いくつかあるが、ざっと列挙すると、

1:そもそもそれほどメジャーな作品でもなく、再放送の回数が多かったわけでもないので、20代世代の多くはこの作品自体を知らない。
2:作品を覚えていても、この作品にはやたらとタコが(味方にも敵にも)出ているので、ただ「タコロー」と言われても、どのタコなんだか記憶が繋がらない
3:っていうか、エンディングや挿入歌にもなった、敵・クロダコブラザーズのインパクトのほうが強い

などの難しい要素を抱えつつも、なぜか「タコのキャラクター」は日本人の手によほどなじんだものらしく、知ってる人も知らない人も、そこそこのタコを描いているようだった。

タコローは、主人公をサポートする味方のタコで、主な要素は
・ヘルメット
・ヘッドホン(というか、インカム)
・マント風の衣服
・メガネ
である。


栄帝さん

おかぴーさん

鉄郎さん

相方

みつばちさん
完膚なきまでにスタンダード・タコ。

お三方の特徴は、「多分『ムテキング自体ご存知で無いであろう』」ということ。
こちらもたこ焼き屋看板などでよく見かけるスタンダードタコ。
ただし鉢巻の存在がある。これは描画者の無意識が、挿入歌の「タコの頭にハチマキ巻いて、キューッとしめても締まらない♪」の支配下にあるのかもしれない。

みつばちさんの作品は、ご本人が美女なのに、「触手系」などという単語がポンと出るあたりに、例えようのない小エロの香りを感じるのである。

りょうMC08さん

ひげ蔵さん

三日殿下さん

大道寺零

ぽちさん
おぼろげであっても、「メガネ」の存在は、「ムテキング世界のタコ」へ大きく近づくために不可欠だ。
これがサングラスだと、一気に黒ダコに行ってしまうのが惜しい。
りょうさんのタコローは、誰よりもアダルトな雰囲気を醸し出し、まるで井上陽水のような雰囲気。
さらにヘッドホンというアイテムが記憶に残っていた例。
でも私のはグラサンになってる時点で、やっぱり黒ダコだ。

あんもないとさん

Q太郎さん

やぎ夫妻

橘みづきさん
結局、タコローらしさを醸し出すのは、ヘルメットだった。
Q太郎さんの作品は、おぼろげなラインながら、目の表情などでなかなかイケている。
マントを描ければ、タコローマスターといえよう。
タコを描いて、『口の突き出し感』を描かないということは、案外難しい。この作品、後に紹介する「Q太郎さんのバトルケニヤ」と共に、「ウォーズマン系」としてまとめたい一品だ。

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