書きっぱなしジャーマン
へようこそ。

 このコーナーは、特にテーマを定めずに書き散らしたショートコラムの部屋です。

 常々思っていました。何故人は、古典文学やら種種の文章に、「何かしらの教訓」を求めてしまうのでしょう。「何か為になることが書いてあるに違いない」。そんな風に過度の期待をするから、「『枕草子』なんて、言いっぱなしの垂れ流しの、女の戯言じゃないか」とか失望するわけです。
 言いっぱなしの書きっぱなし。そこに文章の快楽があるというのに。
 「桜ってーのは、アレだよな。満開だけでなく、その前とかもいーもんなんだよな。」と言った鎌倉時代のオッチャンの一言で、自分でも気付かなかった「あー俺ってそう言えば、咲く前の桜も好きなんだよな」という部分を、言語化される一瞬。それは、言葉が体を通り抜ける、気持ちいい一瞬なのです。

 このコラム群は、読書欲を「食欲と同程度の生理的欲求」程度にしか思っていない(=とまで思っている)管理人が、特に媒介を定めず、「言葉にしてやられて気持ちいい一瞬」をカミングアウトするものです。
 表題通り書きっぱなしの駄文ですので、なにとぞ受け身は各自でお取り下さい・・・

第一夜:山頭火の障子
第二夜:男の子女の子
第三夜:ゴハンですよ
第四夜:東君平の世界
第五夜:葉っぱ隊と阿Q正伝

第六夜:石垣りんというセメント